トップで止まる動きがなくなり、パットでは重心の高い構えに
ケンジロウです。サンディエゴのトーリパインズGCよりお届けしております。
「ファーマーズインシュランスオープン」初日が終わりました。
注目のタイガー・ウッズが3アンダーで21位タイとまずまずのスタート。マキロイが5アンダーで5位タイと好位置につけています。
日本人選手は松山英樹、小平智ともに1オーバーパーの87位タイ、明日の巻き返しに期待したいですね。
今日はまる一日、松山英樹の組について歩いたのですが、久しぶりに見たラウンドで、昨シーズンに比べてのいくつかの変化に気づきました。
ひとつはショット面、もうひとつはパット面です。
ショットに関しては昨年の9月ごろからいろいろとマイナーチェンジを繰り返していましたが、昨シーズンから比べると、重心が低くなり、股関節をグッと入れてフトコロを広く作るような仕草をアドレスに入る前にみせるようになりました。また明らかにトップの時間が短く、トップで止まるような感じはなくなり、ショットのリズムが変わった印象を受けました。
急に変わったというよりは、徐々に変化をしてきて、最終的に今の状態にたどりついた感じですかね。その変化が功を奏したのか、今日はドライバーが絶好調。ミスらしいミスはほとんどなく、バーディをとった10番などは320ヤード近く飛ばしていました。
以下、試合後のコメントです。
「久々にドライバーが良かったんで自分でもびっくりしたんですけど、ドライバーが良くなったらアイアンとそのほかが悪くなったりするので、どっちも良くなるようにしたいですね」(松山)
本人もドライバーに関しては手ごたえを感じている様子ですが、今日はアイアンがかみ合わなくて歯がゆい一日だったんでしょうね。
もうひとつのパットに関しても、ショットと同様に、今回急激に変わったというよりは、昨年から徐々にスタイルを変えてきてそのチェンジを繰り返した結果、大幅な改造になったというところですかね。
以前はスタンスが広く、重心を低くしてどっしりと構えヒジをはって両腕で五角形の形でストロークしていました。それが今週の松山は、スタンスが狭く、重心が以前よりは高く、足を内側に絞るようなイメージで構えています。そしてヒジをはらずにダラーんと腕を垂らし、両腕で三角形の形を作ってストロークしています。
昔の映像と比べるとまるで別人ですよね。どちらかというと、新しいパッティングスタイルはタイガーや、リッキー・ファウラーといったパット巧者の選手たちの打ち方に似てきたように見えますね。
実際に今日の初日のラウンドは上りも下りも距離感がぴったり。10番ホールでは8メートルほどの下りのバーディパットを見事に沈めてきました。ストロークゲインドパッティング(パットのスコアへの貢献度)が1.304で全体の16位となかなかのいい数値。長い距離のバーディパットが何度もありましたが、そのほとんどタップインで、3パットは一つもありませんでした。
「距離感自体はずっと悪くないんですが、今日はなかなか入ってくれなかったですね。打ち方もちょっとズレたりして、(取り組んでいることを)18ホール続けてなかなかできない。でも今日は悪くなかったと思うので、それを明日もできるようにしたい」と本人もパットが良くなっていることに手ごたえを感じていました。
元々アイアンとアプローチはこの米PGAツアーの中でも一級品の腕前ですから、そこにドライバーとパットがうまくかみ合ってきたら……、想像するだけでもワクワクしてきますよね。
残りの3日間、松山はどこまでスコアを伸ばすことができるのか?
期待してみていきましょう。
写真/姉﨑正
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