「プレジデンツカップでのプレーは素晴らしかった!」
先日、アメリカ・フロリダで開催された「レッドベター・ティーチングサミット」に参加してきました。日本でも同じみのデビッド・レッドベターが主宰する、ティーチングプロによるティーチングプロのためのイベントです。
個人的には、レッドベターに聞きたいことがありました。それは松山英樹選手のこと。昨年、ブッチ・ハーモンの元に1日だけ習いにいったという松山選手ですが、ブッチと並び称されるティーチング界の大物であるレッドベターは、松山選手をどう見ているのか? それが知りたかったのです。
というわけで、レッドベターに直撃してみました。
「プレジデンツカップのプレーを見ましたが、とてもよかったですね。彼はまだ若いけどもうすでに成功している選手ですし、メジャーで勝つ才能を持っていると思います。ツアー選手の成績は良いときも悪いときもありますから、いかに自信をキープするかが大事になります」(レッドベター)
という語り口はことのほかホット。プレジデンツカップ でのプレーが非常に印象的だったようで、決して社交辞令ではないという印象を受けました。また、昨年後半から取り組んでいるスウィング改造は、こう評価しています。
「ヒデキは以前はトップで止まっていたけど、ポージング(止まる)時間が短くなり、切り返しの動きがスムーズになったと思います。スウィングリズムが良くなったし、より自然なスウィングになってきていますね」
そして、「日本中の期待を一身に背負ってプレッシャーがあるに違いないけど、調子の波が上がりつつあるので、期待したい」と話してくれました。さすが世界の名伯楽、選手のことをよく見ています。
レッドベターはカブレラベロ、ビョンフン、シュワーツェルらを指導
レッドベター自身はというと、現在はラファ・カブレラベロ、アン・ビョンフン、シャール・シュワーツェルといった選手たちを指導しています。
その教えも、90年代のいわゆる下を止めて上を回すボディターンスウィングから進化を重ね、現在ではバイオメカニクスの専門家とともに最新のものへとアップデートされています。
今回のサミットでも、体と腕のシンクロというレッドベター理論の核の部分よりも、下半身の動きや、どうすれば左サイドに踏み込めるかといった話が中心。「体と腕のシンクロナゼーションは私の理論の核となるとても大切な要素。それに加えて飛距離を出すためにどのように地面反力を使うかが大事です」と語っていました。
67歳にして進化を続けるレッドベター。やはり、折に触れて彼の考えには触れたいと思わせてくれるサミットでした。