ウェイストマネジメント フェニックスオープンを取材中のゴルフスイングコンサルタント・吉田洋一郎。練習日に、最近大幅な飛距離アップに成功したという“ゴルフの科学者”ブライソン・デシャンボーを直撃。なんで飛距離が伸びているのか、ズバリ聞いた。

年頭に私は4つのメジャーに対応して、4人のメジャーチャンプ候補の名前を挙げました。タイガー・ウッズ、ブルックス・ケプカ、パトリック・カントレー、そしてブライソン・デシャンボーです。

タイガー、ケプカは異論がないはずで、カントレーもその実力からすれば可能性は十分。デシャンボーだけが、ちょっと“穴”という感じがするかもしれませんが、私はこの選手に以前から大いに注目し、それ以上に期待しています。

というわけで、フェニックスオープンの練習日に、松山英樹選手の練習ラウンドを見届けたあと、デシャンボーの練習ラウンドを視察することにしました。

デシャンボーの練習ラウンドは他のすべての選手と違う点がひとつあります。弾道計測器「GC4(クワッド)」を、ラウンド中も使用するのです。練習場では弾道計測器を使用するのがすっかり一般的になりましたが、ラウンドで使うのはこの男くらい。ゴルフの科学者ここにありといったところでしょうか。

画像: 練習ラウンド中、ティーイングエリアに弾道計測器を置いてプレーするデシャンボー。ちなみにこのショットは360ヤードという驚異の飛距離を計測した

練習ラウンド中、ティーイングエリアに弾道計測器を置いてプレーするデシャンボー。ちなみにこのショットは360ヤードという驚異の飛距離を計測した

18番ホールでフェアウェイど真ん中にビッグドライブを放つと、ギャラリーからの「何ヤード飛んだんだい?」という質問に対し、計測器の数字を調べて「360ヤードさ」とドヤ顔。実際に、445ヤードのパー4のそのホールのセカンドショットを、デシャンボーはサンドウェッジでチョンと打ってやすやすと乗せていました。昨オフから今年にかけて、かなりの飛距離アップに成功しています。

デシャンボーのコーチは、タイガー・ウッズの復活を支えたことでも知られる屈指の理論派、クリス・コモ。コモと私は「週刊ゴルフダイジェスト」誌上で連載をしていることもあり、デシャンボーを交えて3人でディスカッションする時間がありました。

まず、単刀直入に、「なんでそんなに飛ぶようになったの?」と質問をぶつけてみました。

「トレーニングをしっかりとやって、体が大きくなったのが一番だよ。それと、(コモと組んで)地面反力も取り入れているしね。あと、詳しくは秘密だけど腕の使いかたを少し変えたんだ」

と教えてくれました。「ヘッドスピード最高でいくつ出たの?」と重ねて聞くと「200マイル」との答え。日本式にメートル/秒で換算すると、ヘッドスピード60超えです。うーん、すごい。

上機嫌な様子に、「そんなに飛んだら、今年はメジャーも期待できるね」と水を向けてみました。すると、「そうだね。誰よりも、真っすぐ遠くにドライバーを飛ばして、誰よりも真っすぐアイアンを打てれば、勝てるよね」とニヤリ。満更でもなさそうです。でも、私自身本当に彼はメジャーを獲れる選手だと思います。

最近では“ゴルフの科学者”というより、“スロープレーヤー”という汚名の印象が強いデシャンボーですが、素顔の彼は、ゴルフが好きで好きでたまらない無邪気な若者、という印象です。それがゆえに、周りが見えないところはたしかにあるように思いますが(笑)、いい奴です。

画像: スタジオアムホールとして知られる16番ホールでは“左打ち”のパフォーマンス。観客を盛り上げた

スタジオアムホールとして知られる16番ホールでは“左打ち”のパフォーマンス。観客を盛り上げた

デシャンボーのゴルフへのアプローチは、科学的、物理的にみて理に適っている動きや考え方のみを自分のスウィング、自分のゴルフに取り入れる、というものです。なんだかんだで感覚的なツアープロの世界にあって、デシャンボーの取り組みは、過去におそらく誰も行なっていません。

それだけに、デシャンボーの成功は、のちに続くゴルフ界にとって意味があると私は思います。理に適ったことを行い、それで成果が出る。それは、他の選手でも再現可能なはずですから。

というわけで、色眼鏡で見られがちなデシャンボーですが、日本のみなさんも、ぜひ応援してあげてもらえたらなと思います!

画像: 癒し系女子プロ・蛭田みな美のラウンドを秋山真凜が生レポート!バーディなるか!? youtu.be

癒し系女子プロ・蛭田みな美のラウンドを秋山真凜が生レポート!バーディなるか!?

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