ボーケイウェッジの最新モデルSM8が発表に
本日発表となったタイトリストのボーケイウェッジシリーズの最新モデル「SM8」。前作のSM7も評価が高かったですが、今作はどうか。さっそく試打してたしかめてきました。
SM8を打ってまず感じたのは、芯に当てやすくなったこと。ボールがフェースに乗る感覚も強く感じられるようになりました。この感覚がわかりやすいというのは、距離感を合わせる上で非常に大切な要素なんです。
少しウェッジの歴史をおさらいすると、まず10年前の2010年からフェースの溝規制が導入されましたよね。それまでの角溝に引っかけるようなスピンのかけ方から、入射角を浅くして少しでも長くフェースにボールを乗せることでスピン量を増やす方向へツアープロたちもシフトチェンジしたんです。
SM8は、トゥ側にタングステンを埋め込みクラブの重心位置と打点を一致させるという工夫がされていたり、ロフトごとに溝の幅を変えたり、スウィングに合わせたソール形状が複数用意されていたりと、とにかくプレーヤーに合わせた使いやすさにこだわりが見られます。ただ激スピンを追求するというのではなく、現代のツアープロたちのウェッジショットによりフィットする性能を持っているわけですね。
実はスピン性能自体はむしろSM7よりもわずかに落ちているんだそうです。もちろんこれはマイナスではなくて、止まり過ぎたり戻り過ぎたり、あるいは高さが安定しなかったりといったスピンのかかり過ぎで起きていた問題を解決し、より距離感が合うようにするためなんだとか。
実際にフルショット、50ヤードなどの長い距離、そしてグリーン周りからの短いアプローチと距離を変え、打ってみました。
長い距離ではしっかり高さのコントロールができ、短い距離では前述のボールがフェースに乗る感覚をより感じました。どんなシチュエーションでも打感が安定していたのも印象的です。スピン性能に関しても、足りないなという印象はありません。
グラインド(ソール形状)バリエーションも前作「SM7」に引き続き6種類あり、ロフト角も46度~62度まで2度刻み。ロフトとグラインドの組み合わせで、合計23種類から選ぶことができるのもうれしいです。
自分のセッティングにあったロフトを選択することでショートアイアンからのギャップを埋めやすいですし、46度からということは、ピッチングを抜いてボーケイウェッジ4本体制、なんてこともできますよね。実際、最近のPGAツアーではそういう選手が散見されます。
個人的に気に入ったのは、58度の「Dグラインド」(58.12D)。三日月型のソール形状で、トウ・ヒールを大きく削ってあって、「Mグラインド」に似た形状なのですが、バウンスがより強くなっています。フェースを開いて操作しつつ、バウンスも使いたい人に対応しているモデルですね。
ツアープロたちのスイッチが進んでいることからも、プロの要求に応える性能を有していることが分かりますし、実際にキャメロン・スミスやアダム・スコットなど、SM8を使用して既に優勝している選手もいます。今後も、プロたちの使用ウェッジに注目していきたいですね。