あえてシャフトを短くカット
PGAツアーのドライビングディスタンス部門で平均322.4ヤードと、堂々のツアー1位を記録しているキャメロン・チャンプ。彼に「好きなクラブは?」と聞くと、もちろん「ドライバー」と返ってくるくらい、自身、ドライバーに対しては相当の自信を持っているが、今季彼が使用しているクラブはピンのG410・LSTドライバー。LST史上最大の慣性モーメントを備え、450cm3と小ぶりなヘッドとなっている。
“強弾道と低スピンで飛ばす”が謳い文句になっているモデルだが、このヘッドに装着されているのは日本未発売のプロジェクトX「HZRDUS SMOKE GREEN PVD仕上げ」。グリーンのカラーリングが美しく、ツアーでも愛用者が何人かいる人気のモデルだ。
「このドライバーは前のモデルと似ているね。僕のモデルはLSTで低スピンタイプだが、スピン量はこれで十分だし、ショットも安定している。なにしろミスに強いのがいいね。オールラウンドにいいドライバーだよ。方向性もよく、大きなミスにならないのが素晴らしい」
飛距離を求めるには通常は長いシャフトの方が遠心力としなりで飛ばせる。しかし彼の飛ばしは違う。あえてシャフトを短くカットし、使っているというのだ。なぜか聞いてみると
「こっちの方が方向性が安定するんだ。真っすぐ飛ぶんだよ! 短くした方が、その分シャフトは硬くなるが方向性はよくなる。僕はパワーがあるので、正確性を求めた方がかえって飛距離が出るんだ」
とチャンプは答えてくれた。
“飛ぶけど曲がる”というのでは、結局はスコアメイクできないし、意味がない。彼のように正確に真っすぐ飛ばすことを考えて、あえてシャフトを短く切ってみるのも、スコアメイクに役立つかもしれない。
【キャメロン・チャンプのクラブセッティング】
1W:ピン G410LST(9度、プロジェクトX HZRDUS SMOKE GREEN PVD、6.5)
5W:ピン G410(17.5度、プロジェクトX HZRDUS SMOKE GREEN PVD、6.5)
2UT・4UT:ピン G410 クロスオーバー(17度・23度、プロジェクトX HZRDUS SMOKE BLACK、6.5)
5I~PW:ピン ブループリント(トゥルーテンパー ダイナミックゴールドX SEVEN)
50度・54度:ピン グライド フォージド(トゥルーテンパー ダイナミックゴールド ツアーイシューS400)
60度:テーラーメイド ハイトウ
パター:ピン PLD Prime Tyne
取材/大泉英子 撮影/有原裕晶