2019年1月からルールが改正され、定番化した距離計測器。レーザー式やGPS式とたくさんの商品がゴルフショップに並ぶがゴルフトレンドウォッチャー・コヤマカズヒロが注目したのは2万円以下の格安レーザー距離計。果たしてその使い心地は?

新ルールで需要急増。参入が増えてレーザー距離計の価格がこなれてきた

ゴルフルールの大改訂から、はや1年余り。直後はゴルファーのあいだでも喧々諤々の議論があったものだが今ではすっかり落ち着き、グリーン上でピンを抜く人も少数派になっている。ひざの高さからドロップするのに少し戸惑うこともあるが、想定された以上に新ルールの定着は早いようだ。

様々なルール変更があったが、そのうちのひとつがプレー中の距離計測器の使用が認められたこと。以前から、熱心なゴルファーを中心に使用されてきた距離計測器だが、ルールでのお墨つきを得たことで、新たに使ってみたいゴルファーも多いようだ。一昨年末から、ゴルフショップでは距離計の売れゆきが大いに好調だという。

画像: ニコンやブッシュネルといったレーザー式計測器は高額なものも多かった

ニコンやブッシュネルといったレーザー式計測器は高額なものも多かった

中でも注目したいのが、安価になったレーザー距離計だ。ご存知のように距離計にはGPS式とレーザー式の2種類があり、プロやそのキャディたちが使うのは、もっぱら精度が高いレーザー式の距離計だ。これまで、レーザー式は価格が高いものが多く、定番のブッシュネルやニコンを中心に、5万円前後するモデルも少なくなかったが、最近では各社の参入が相次ぎ、2万円を切る安価な機種も多く登場している。

そんな新規参入の代表とも言えるのが、ケンコー・トキナーのレーザーレンジファインダー『KLR-600A』だ。直線距離に加え、高低差とそれを踏まえた推奨距離の表示ができ、実勢価格で1万5000円を切るというコスパの良さだ。ちなみに、高低差の機能はルールで認められていないので、競技などで使用しないように注意してほしい。

画像: ケンコー・トキナーのレーザーレンジファインダー「KLR-600A」

ケンコー・トキナーのレーザーレンジファインダー「KLR-600A」

しかし、それまで5万円していた距離計が急に安くなると、果たして機能は大丈夫なのか、不安に思うゴルファーもいるだろう。そこでゴルフ場に実機を持ち出して、上位機種と比べてみた。検証に使用したのは、『KLR-600A』と新たに発売された『KLR-600 PRO』という機種。『KLR-600 PRO』には高低差の機能がついておらず、価格は『KLR-600A』と同様、1万5000円弱の実勢価格だ。

この2台に上位機種を加えて、1ラウンドで様々な距離を計測してみたが、驚いたことにニコンの上位機種「クールショットプロ スタビライズド」やブッシュネルの「ピンシーカースロープ Z6ジョルト」と比較しても、距離の差はほとんどなく、ほぼ誤差の範囲だった。これなら、シリアスゴルファーでも十分使える性能だと思う。

ただ、『KLR-600 PRO』と比べて、『KLR-600A』の方はピンフラッグのサーチが甘く、グリーン奥の木までの距離を測ったりすることがあった。そそっかしい人であれば、そこまでの距離を打ってしまうミスがあるかもしれない。例えば、ニコンの上位機種「クールショットプロ スタビライズド」であれば、手ブレ防止機能がついていて、遠くの小さな目標にも合わせやすい。

画像: ケンコー・トキナーのレーザーレンジファインダー「KLR-600PRO」

ケンコー・トキナーのレーザーレンジファインダー「KLR-600PRO」

また、どちらの機種も距離が長くなると、測定のしづらさを感じてしまう。それは200ヤードに近づいてくると顕著に感じられた。これは同じ100kmで走るにしても、軽自動車よりも排気量の大きなセダンのほうが楽に走ることが出来るのに似ている。最大測定距離が長い上位機種のほうが、短い距離もストレスなく計ることが出来るのだ。もっとも頻繁に測定する150ヤード前後くらいまでの距離なら、何の問題もない。

また、測定する時間が少し長いように感じた。これは普通に使っていれば気にならないレベルかもしれないが、計測時間が早い上位機種に慣れているゴルファーは、少しストレスになるかもしれない。

『KLR-600A』の高低差機能だが、まずまず精度の高い推奨距離がでてきて、十分使用に耐えられると思う。ショートアイアンや高低差がきつい場合で、その影響を過剰に計算するきらいもあるが、これは他の三角関数を使った機種でも見られる傾向だ。ちなみにブッシュネルなどの上位機種では、その距離で使用する番手の弾道傾向を考慮に入れて、推奨距離を計算してくれるものもある。

結論を言えば、1万円台のレーザー距離計でもアマチュアが普通にラウンドするには十分な測定機能があるといっていい。このコスパの良さは大いに魅力だろう。筆者がおすすめするなら、直線距離のみの機能で競技でも使いやすい『KLR-600 PRO』だ。レーザー距離計の便利さを体感できてから、価格の高い上位機種の購入を検討してみるのもいいだろう。

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