今年から渋野日向子の指導を務める青木翔コーチの指導を仰ぐ三ヶ島かな。オフシーズン中に行われたタイ合宿を経て、三ヶ島のスウィング、そしてクラブスペックに大きな変化が起きたという。本人を直撃した。

ドローからフェードにチェンジ

いよいよ開幕が迫ってきた日本女子ツアー。2019年シーズン賞金ランク24位の三ヶ島かなも、他の選手と同様に、試合へ向け調整を重ねている段階だ。

今年三ヶ島に起こった大きな変化は、渋野日向子の指導者として知られる青木翔コーチと契約を結んだこと。今年1月にはタイで行われたゴルフ合宿に参加し、スウィング改造に取り組んだという。青木コーチと取り組んだひとつめの改革が、ドローからフェードへの持ち球のチェンジだ。

画像: 2020年シーズンから青木翔コーチの指導を受けている三ヶ島かな(写真は2019年のエリエールレディス 撮影/大澤進二)

2020年シーズンから青木翔コーチの指導を受けている三ヶ島かな(写真は2019年のエリエールレディス 撮影/大澤進二)

きっかけは、青木に指摘されて行ったトラックマンでの計測だ。

「しっかり動きたい動きで振って良い球が打てたっていうとき、トラックマンの計測結果を見ると、全部カットに入っているんですよ。あ、自分はフェーダーなんだと。今まで勘違いしていたんだと思って」(三ヶ島)

今まで持ち球はドローだと思い込んでいたという三ヶ島。「高校時代にもフェードのほうがすごく調子がいい時期があって、やっぱりあのときの感覚は間違ってなかったんだっていう。いろんな発見や再確認がありましたね」という。

それと並行して「キレ感のあるスウィング」を獲得するための練習も、タイ合宿で行った。

「ずっとマン振りでフルショット。マン振りではあるんですけど、ちゃんと自分の理想とするスウィングに沿って、かつ振れるように。トレーニングでできているのに、ゴルフに活かせてないのがもったないので、それを毎日やっていましたね」(三ヶ島)

もともと体のキレ感を出すトレーニングは取り入れていたそうだが、そのトレーニングとゴルフの“橋渡し”を「青木コーチに丸投げしました」という。また、同じ合宿に参加していた渋野日向子も、三ヶ島にいい影響をもたらしたようだ。

「ずっとしぶこ(渋野日向子)のスウィングを見てましたね。めっちゃキレイに振るじゃないですか、スパッと。あれを見てたら影響を受けるというか、振りたくなるじゃないですか。私は(振り切るイメージが)全然わからなくて。(自分は)くるっとゆっくり打つタイプだと思っていたから、全然違うタイプのスウィングを見て、学ぶものは絶対にありますね」(三ヶ島)

スウィング改造の結果、「毎年この時期ってまだ振り切れない状態なんですけど、(今は)このままシーズン入りしてもいいなっていうくらい振り切れています」と成果を実感しているようだ。

スウィング改造によってクラブ重量も多めに

スウィング改造によってキレ感のあるスウィングを獲得した三ヶ島。しかしスウィングが“振れる”状態に変化したことによって、クラブスペックにも見直しが必要になった。

「だんだんトップしだして。ちょっと厚く入れようと思ったら、変なフックとかドローとか、出ちゃいけない球が出てきて。やっぱりちょっとクラブが物足りない、という状況になっちゃったのかなと思います」(三ヶ島)

そこで契約先、ブリヂストンのもとでフィッティングを受けることに。「計測結果を見ても、球のとらえ方も厚く入っていて、インパクトが強くなっているという印象です。全体的に、シャフトをよりハードなスペックにしました」というのは、フィッティングを務めたブリヂストンスポーツの阿部貴史氏だ。

画像: フィッティングを務めるブリヂストンスポーツ阿部貴史氏が試打データを分析して調整を重ね、三ヶ島が試打を繰り返してイメージを擦り合わせていく

フィッティングを務めるブリヂストンスポーツ阿部貴史氏が試打データを分析して調整を重ね、三ヶ島が試打を繰り返してイメージを擦り合わせていく

「TOUR B JGRドライバー、TOUR B JGRフェアウェイウッドはシャフトをスピーダーエボリューションVからスピーダーTR弐に替えました。フレックスはそのままRなんですが、(シャフト特性は)少しハードめなスペックですね。ユーティリティは変更なし。TOUR B X-CBアイアンはシャフトをMCI60のRから、MCI70のRへ替えました。こちらも重量を多くした形ですね」(阿部氏)

画像: シャフトもよりハードな特性の「スピーダーTR弐」にチェンジ

シャフトもよりハードな特性の「スピーダーTR弐」にチェンジ

スウィング改造によってスウィング中、とくにトップ時のクラブポジションが感じにくくなっていたのを、重さと硬さを加えてハードにすることで、わかりやすくしたと阿部氏。「飛距離がこれまでと10ヤードは違う」(三ヶ島)と、プロトタイプのときから気に入っているTOUR B JGRドライバーを筆頭に、クラブについては細かい調整は入りつつも同モデルを引き続き使用するようだ。

画像: TUOR B JGRドライバーを筆頭に、使用クラブは以前と変わらず、シャフトをハードスペックにチェンジ。新スウィングに合わせてライ角の変更や鉛の貼り付けなど、細かい部分も調整した

TUOR B JGRドライバーを筆頭に、使用クラブは以前と変わらず、シャフトをハードスペックにチェンジ。新スウィングに合わせてライ角の変更や鉛の貼り付けなど、細かい部分も調整した

ただし、スウィング改造はプロであっても一朝一夕に成り立つものではない。ドローからフェードに変えたことで、狙い方にも戸惑いがあるなど、まだ仕上がりは途上の段階だ。

「(新スウィングの完成度は)3分の1行ったか、行ってないかくらいです。しっかり完成するまで1、2年は見てます」(三ヶ島)と言うように、それでも新たな挑戦に挑む三ヶ島は前向きだ。

「今年は複数回優勝するのが目標です。3勝したいなと。1勝がすごく遠いんですけど、一個つかんだらポンポンとくると思うので」(三ヶ島)

2020年シーズン、新たなスウィングとクラブで戦う三ヶ島かなに注目だ。

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