小学3年生から高校3年生まで在籍した「坂田塾」の基本の練習を今もこなす
「6番、7番アイアンくらいでショートスウィングやジャイロスウィングをします。特別に続けているわけではないんですけど、原点に返るときにしています」
安田祐香にずっと続けている練習はあるかと尋ねると、こんな答えが返ってきた。
安田が続けているという練習法のひとつでもある“ショートスウィング”は6番アイアンを使い、時計の文字盤の9時から3時の振り幅でボールをとらえる練習法。安田が長く在籍した、プロゴルファー・坂田信弘主宰の“坂田塾”の基本中の基本だ。
そしてもうひとつのジャイロスウィングも坂田が考え出した独自のスウィング法。両足のかかとをくっつけて、スタンス幅をほぼゼロの状態にしてスウィングすることで、正確にインパクトできるというものだ。
坂田塾の代名詞的な練習法でありスウィングだけに、小学校3年生のころ坂田塾に入門して高校3年生まで在籍した安田にとっては、まさに“原点”のようだ。
そして、安田が教えてくれたのは、ジャイロスウィングのスタンスにショートスウィングの振り幅でボールを打つ練習。安田なりのアレンジで、本来両かかとをくっつけてつま先を30度開くジャイロスウィングのスタンスを、両かかとをわずかにあけてつま先はほぼ正面という状態で、9時から3時のショートスウィングを行う。
「この練習は(スタンスが狭い分)下半身が使えなくなるので、手だけで振らないようになって、タイミングが自然に合ってくるんです。ショートスウィングの振り幅でちゃんと打てたら、フルスウィングしたときも安定すると思います。私はとくにタイミングが合わなかったりするとこの練習法をしていますね」(安田)
アマチュアゴルファーは練習場では、ついドライバーなどを振り回してしまう傾向がある。しかし安田はこの練習はゴルファーにもオススメだという。
「ジャイロスウィングは狭いスタンスのなかで体重移動ができるので、軸が安定し、方向性やミート率が向上すると思います。ジャイロスウィングで右にボールが出てしまう方は、手だけで振らずに体の回転だけでボールをつかまえられているかを確認することもできると思います。私自身も右に出てしまうことがあるので、上手く合わせられるようにこの練習法を取り入れています」
今年のツアーで大きな注目を集めるスーパールーキーが今も行う基本の練習法、ぜひ試してみてはいかがだろうか。
取材協力/ポートアイランドゴルフ倶楽部 撮影/有原裕晶