1992〜93年頃、タイガーはダイワのアイアンをバッグに入れていた
タイガーがプロデビュー当時ミズノのアイアンを使っていたのは有名な話。ミズノの次はタイトリスト、その次はナイキ、そして現在テーラーメイドと変遷してきたが基本的な好みは変わっておらずあくまでもブレードにこだわっている。
そんな彼がアマチュアゴルフ界を席巻していた92年から93年にかけバッグに収まっていたのがDaiwa アドバイザーDG-273だったことはあまり知られていない。
このアイアンは1979年の全米プロ、81年の全米オープンで優勝し、クラブデザイナーとしての評価も高いデビッド・グラハムが設計に携わりモデルの名称である“DG-273”はデビッド・グラハムのイニシャルと全米オープンを制したときのトータルスコア(7アンダー273)を表している。

タイガーは「ブレードの長いものが好き」だとこだわりを語っていた(写真は2019年の全米オープン 撮影/有原裕晶)
フォージド(鍛造)にも見えるがじつはそうではなく、Daiwaによるカーボンスチールを原材料にした鋳造アイアンとしては世界初の試みだったのだそうだ。

タイガーは92年から93年のアマチュア時代に「ダイワ アドバイザー DG-273」を使用していた。写真は1990年の「Choice」誌の誌面より。計測値はソール幅15ミリ、ネック長69.5ミリ、フェース長72.5ミリ。7番のロフトは36度で、PWは49度だ
DG-273のフェース長は72.5ミリ。「昔からブレードの長いものが好き」
このクラブが若かりし日のタイガーを魅了したのはなぜか? それはヘッドの形状だ。本人がゴルフ.comの記者に2年前打ち明けたところによると「昔から一貫していて、ブレードの長さが長いものが好きだった」。
「16歳のころからブレードアイアンを使ってきたけれど、すべて顔が長いタイプだった。ベン・
ホーガンのPCやApexはいいクラブだけれどヘッドが自分には少し短すぎる。それにDaiwaアンサーはトップラインが薄くてシャープ。だから気に入っていた」

現在はテーラーメイド「P・7TW」を投入している(撮影/有原裕晶)
プロになってからも頑なに“自分の好みの顔”を求め続けたタイガー。当時「スイートスポットはコイン1個分の大きさがあれば十分」と語りオーバーサイズのアイアンを嫌っていたが、長い顔が好きだったとは興味深い。
ゴルフ.comがこの情報を伝えてからアメリカではネットオークションでアドバイザーDG-273を売る動きが出ているようだ。日本でも同じ現象が起きる?