2019年は渋野日向子を始めとした黄金世代が中心となって盛り上げた女子ツアーにあって、プロ6年目にして初優勝を含む2勝を挙げた24歳の柏原明日架は自身のことを“中堅”と表現する。柏原から見て、黄金世代、そしてプラチナ世代はどう映っているのだろうか? 独占インタビュー、後編!

「みんなめちゃくちゃ上手いです」

「すごく勢いはあるし、みんなめちゃくちゃ上手いですね。素直にそう思います」

黄金世代が台頭する前、アマチュアの主役は間違いなく柏原だった。中学3年で日本女子アマ2位、さらには日本女子オープンで予選通過。当然のようにナショナルチームで過ごした。自分も同じようにアマチュア時代から注目されていた。だからこそ、冷静に見られる部分があると話す。

「今の子たちはオンとオフの切り替えがすごく上手。これは、誰とかではなく“みんな”です。一緒にラウンドをしていると、ミスをして怒っている姿を見ることもあります。でも、次のショットは、ミスがなかったかのような感じで打っている。これはすごいことです。私がアマチュアの頃は怒ったら怒りっぱなし、切り替えなんて意識してもできなかったんです。それが今の子は“無意識”にやっている。それがすごいですね」

画像: 昨季2勝を挙げた柏原明日架から見た“黄金世代”と“プラチナ世代”とは?(撮影/有原裕晶)

昨季2勝を挙げた柏原明日架から見た“黄金世代”と“プラチナ世代”とは?(撮影/有原裕晶)

自身の経験と重ね合わせ、すごいことはすごいと認められるようになったことは、成長した部分だと柏原は話す。では、そんな後輩からは、どんな存在でありたいと思っているのか?

「下からは同じ熱量を持った先輩だと思われたいですね。それは私がそういう先輩を見て『いいな』と思ったからです。(上田)桃子さんと話していても、ゴルフに対する情熱がすごい。年を重ねると、情熱って薄れてきてしまうものだと思うんです。でも、私の先輩方はそれがありません。みんなが同じ熱量を持っているってなかなかないことだと思うし、それはすごく活力になります。だから私も、そういう存在でありたいと思っています」

柏原は一見クールに見え、ときにはそれが“冷たい”という印象を与えてしまうこともある。しかし、話を聞けば聞くほど、そういった印象はなくなってくる。むしろ、情に厚く、上下関係を意識したしっかり者だ。それでいて、自分を客観的にみることができる冷静さも持っている。

渋野日向子をはじめとする黄金世代や安田祐香などのプラチナ世代が、ツアーの主役候補であることは間違いない。しかし、24歳の柏原明日架が主役になる可能性も、十分にある。

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