2020年から楽天イーグルスのコーチに就任した元プロ野球選手・今江敏晃が、ドラコン女王・杉山美帆に弟子入り! 今回は、ピンを差し、バックスピンでギュギュっと止めるアイアンショットの打ち方を教えてもらった。

キュギュっと止まるアイアンが打ちたい!

今江:杉山プロ、実は悩みがありまして。アイアン、ウェッジのショットでスピンが全然効かないんですよ。たとえば100ヤード以内で狙った所に打つときも、全部ほどけて、3~4ヤードくらい転がるんですよね。

杉山:ウェッジでも効かないんですか?

今江:効かないんです……。

杉山:それは多分、何かがおかしいんだと思います(笑)。インパクトのときにボールの手前からヘッドが入っているのかもしれませんね。まずはスウィングをチェックしてみましょうか。

画像: まずは今江のスウィングをチェックする杉山

まずは今江のスウィングをチェックする杉山

――シミュレーションゴルフでピンまでの距離を145ヤードに設定し、9番アイアンで打つ。すると結果は総飛距離152.2ヤード、ランは6.4ヤードだった。

今江:いつもこんな感じですね。9番アイアンだったら、ボールが落ちてからキュッと止まるのが理想じゃないですか。男子プロのショットを見てもそんな感じですし。でも僕の場合は絶対に前へ進んでしまうんですよ。

杉山:なるほど。まずアイアンって、基本的にボールの先を打っていきたいんです。ですが、今江さんはやはりクラブが手前から入っているので、ボールを押し込んでいく動作が足りないんだと思います。

今江:ああ、たしかに逃がして打っている感覚はあります。押すというより、当てて終わりという感じですね。

杉山:ボールを打ったあと、体がフワッと浮き上がっているのはわかりますか?

今江:あ、たしかにそうですね。

杉山:インパクト後に体が浮き上がるということは、ダウンスウィングでクラブが寝て入ってきてしまい、結果としてボールの手前側からちょっとダフリ気味なインパクトになっているんですね。

今江:ああ、そうなんですね。

杉山:では、ボールの先を打っていく感覚をつかむ練習ドリルをやっていきましょう。まず、【1】(練習場のマットの上などで)ボールがあると仮定してインパクトの形を作ります。【2】そのインパクトの形を崩さずに、腰を切りながらインパクトの先10センチくらいをソールで擦る感じで動かしてみましょう。このドリルのポイントは、インパクトでボールの先にヘッドを押し込んでいくときに、お腹が下を向いたままにしておくことなんです。

画像: インパクト地点の10センチ先までソールで地面を擦る練習ドリルによって、ボールを押し込む感覚をつかめる

インパクト地点の10センチ先までソールで地面を擦る練習ドリルによって、ボールを押し込む感覚をつかめる

今江:インパクトで、お腹は下を向くんですか。僕のイメージでは、インパクトの時にお腹や胸は真下ではなく、左斜め下を向く感じでした。

杉山:お腹が真下に向くインパクトイメージだと、両肩のラインを飛球線のラインに対して平行に保ちやすいので、ボールを真っすぐに押せます。でもお腹が斜め下を向くようなインパクトだと、飛球線に対して右肩がかぶって入ってきますよね。

画像: 体が浮き上がる原因は、インパクト時のお腹の向きにあった

体が浮き上がる原因は、インパクト時のお腹の向きにあった

今江:あぁ、なるほど! 僕、お腹の向きが間違っていたんですね。だから右肩がかぶってしまってボールが左に引っかかってしまう。それが怖いから体を起こして逃がしていたんですね。

杉山:そうなります。アイアンショットのインパクトゾーンのヘッドの動きってアプローチにもつながる動きなので、私はウェッジの練習のときにもこのドリルの応用編みたいなことをやっていました。今みたいに、クラブヘッドのソールで10センチくらい地面を何回か擦ってから、5ヤードくらいのアプローチショットを打つんです。そして5ヤードで当たりが良くなってきたら、ウェッジで距離を延ばしていき、それも当たりが良くなったら、PW、9番アイアン、8番、7番……と、番手をドンドン上げていくんです。

今江:それ、良さそうですね。

杉山:オススメの練習法です。練習だけじゃなくて、プレショットルーティンで「10センチ押し込む動作」を必ず入れてから打ってみるのもいいですよ。注意点は、地面を擦るときに手だけで動作を作らないこと。上半身の形はキープさせておき、下半身で押し込んでいきましょう。

野球は「腰をスライドさせて」打つが、ゴルフは「腰を回して」打つ

杉山:それと、今江さんはボールを押し込むときに、左腰がそのままスウェイしてしまっていますね。腰をスライドするのではなく、しっかり回転させてヘッドを押し込んでみましょう。

画像: ヘッドを押し込む際に腰をスライドしてしまっていると杉山は指摘

ヘッドを押し込む際に腰をスライドしてしまっていると杉山は指摘

今江:え。前に行くのではなく、その場で腰を回すわけですか。それは新感覚です。

杉山:そうなんですか。

今江:野球のバッティングって、(右打者の場合)トップの位置から左足のひざを使って前に踏み込んで打つんですけど、この踏み込むときの「間」が大事なんですよね。ストライク、ボールを判断するのも、そのタイミングです。この野球のときの動きが染み込んでいるので、ゴルフのときも、どうしても一瞬、左への踏み込みが入ってしまうんだと思います。

画像: 野球のスウィングでは体の左側へ大きく踏み込む動作が入ると今江。このクセがゴルフでも出てしまっていたようだ

野球のスウィングでは体の左側へ大きく踏み込む動作が入ると今江。このクセがゴルフでも出てしまっていたようだ

杉山:なるほど。ゴルフの場合でも多少踏み込むぶんにはいいんですけど、動き過ぎるとミスショットに繋がりやすいんですよね。

今江:じゃあゴルフの場合は、トップの位置で、その場で回るような感じですか。

杉山:そうですね。左腰をそのまま後ろに回していくという感じですね。

画像: 腰はスライドさせず、左腰を体の後ろ側に持っていくイメージで回そう

腰はスライドさせず、左腰を体の後ろ側に持っていくイメージで回そう

――改めて今江が、「その場で回る」、「10センチ押し込む動作」の2つのポイントを意識して打ってみると……。

今江:ああ、こういうことか!

杉山:いいですね。多分、今までは左にシフトをしていた分、ちょっとトップ気味に当たっていた感じがあったと思うんです。でも、今は当たり方は良かったですね。お腹も下に向けておきやすいと思います。

今江:確かに、当たった感じは良かったです。当たりが「厚い」感じがしました。

――同じイメージでもう一度打ってみると、ランが0.5ヤード。理想的なギュギュっと止まるアイアンショットに成功!

画像: 総飛距離135.36ヤード、ラン0.5ヤードと、しっかりスピンが効いた理想的なアイアンショットに成功

総飛距離135.36ヤード、ラン0.5ヤードと、しっかりスピンが効いた理想的なアイアンショットに成功

杉山:今、スピンで戻りましたね。

今江:え~、そうなんやぁ~。こういう感じかぁ!

――レッスンによって、スピンの効いたアイアンショットのイメージをつかめた今江。最後の一発は、惜しくもカップに蹴られたものの、あわやホールインワンのナイスショットも飛び出た。

画像: カップに蹴られたものの、あわやホールインワンのナイスショットも!

カップに蹴られたものの、あわやホールインワンのナイスショットも!

今江:もう全然、違いますね。当たり方がだいぶ厚くなりましたし、振った後の振り抜け感とかバランスもすごく良かったです。

杉山:今まではフィニッシュで体が起き上がっていたので、インパクトでは力が上へ逃げていたんです。それでちょっとトップ気味の球になっていたんです。でも、ゴルフはボールが地面にあるので、力を下に、下に伝えていきたいんです。そうするとインパクトでボールを上からダウンブローに捉えることができるので、厚いインパクトでスピンも掛かってきますよね。

今江:今まではどうしても手でボールをすくおうとするような動きが入っちゃってたんですよね。

杉山:おそらくそれがスピンがかからない原因のひとつになっていたんだと思います。動きがしっかり身に付くまで、打つ前にルーティンとして「10センチ押し込む動作」をやってみてください!

今江:わかりました! 

写真/野村知也 協力/新橋ゴルフスタジオ

画像: 今江敏晃の悩みを杉山美帆が解決!狙ったところにピタッと止まるアイアンショットの打ちかた www.youtube.com

今江敏晃の悩みを杉山美帆が解決!狙ったところにピタッと止まるアイアンショットの打ちかた

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