今季の活躍が期待される新人プロ・安田祐香。彼女は昨季から腰痛に悩まされ、その回復に努めてきた。そんな安田をオフシーズンに取材すると、プロとしてツアーで戦っていくために、腰回りの筋力強化を取り組んでいた。
その一環として練習場で行っていたのが“左打ち”だ。
「左右のバランスをとるために始めました。今までは右打ちの練習だけしていて、疲労もあって左腰を痛めてしまったんです。一番はバランスを大事にしたいからですが、続けていくことで体の使い方も変わってくるのかなと思います」(安田)
アマチュアゴルファーで「左打ちの練習をしたことがある」という人はあまり多くないかもしれない。試しにやってみても、グリップを握る段階で右手が下にくるのか、上にくるのかと混乱するし、まともに当てることも難しいはずだ。
ただ、プロの間では比較的一般的な練習法で女子ツアーで活躍する成田美寿々を始め、女子プロたちはまるで利き腕で打っているようなショットをツアーで放っている。昨年から左打ちの練習を始めたばかりだという安田はどうだろうか?
「私はまずどうやってバックスウィングしていいのかわからなかったですね。体の使い方が難しくて、ボールにパワーが伝わらないんです。7番アイアンで練習していますが、80ヤード、飛んで100ヤードくらいしか飛ばなくて、空振りもしたことあります(笑)」
最強アマチュアとして世界で活躍した安田が“空振り”をする姿は想像できないが、半年ほど練習した今では「けっこう打てるようになってきた」という。
「以前、友達とゴルフに行ったときに左利きの子がいたので、『(クラブを)貸して』と言ってドライバーを打たせてもらったんです。そしたら、全然当たらなくて、ピュー!ってトップしたんです(笑)。でもいつかラウンドで左打ちをして、何打くらいで周れるのか試してみたいですね。ティーイングエリアですか?もちろん“赤”からです(笑)」
この左打ちの練習はアベレージゴルファーにも試す価値はあるだろうか?
「そうですね、ボールを打たずに素振りだけでも効果があると思います。左打ちをすることで、左右のバランスは右打ちだけしているよりよくなると思うので、7~8番アイアンくらいで試すのが丁度いいと思います」
安田祐香が取り入れている左打ちをみなさんもぜひ試してみてはいかがだろうか。
撮影/有原裕晶