24時間ゴルフのことを考えている“ゴルフバカ”で、シングルハンディの腕前を持つイラストレーターの野村タケオ。今回は、週刊ゴルフダイジェストで大人気連載中のマンガ「オーイ! とんぼ」の登場人物がやっていた「スリークォーターショットでも飛距離を伸ばす方法」を試してみた。

伸張反射を活かして飛ばす

みなさんこんにちは。ゴルフバカイラストレーターの野村タケオです。僕はマンガ「オーイ! とんぼ」の大ファンだってことをここの記事で何回も書きました。マンガで描かれているレッスンや技を何度も試しています。

本当に面白くて為になるマンガなのですが、週刊ゴルフダイジェスト3/10号でもまたまた凄いことが描かれていました。とんぼのライバルである「つぶら」は常にスリークォーターショットで方向性重視のゴルフをしているのですが、やはりそれだけじゃ飛距離があまり出ず、海外の選手たちと戦う時にはかなり不利になってしまいます。

そこで、スリークォーターを維持しながら飛距離を伸ばす方法をコーチから伝授されます。方向性を犠牲にせず、スリークォーターショットで飛距離を伸ばすなんてことができるのでしょうか? もしそれができるなら、ぜひとも僕も取り入れたい! ってことで、実際に距離が伸びるのか計測しながら実験してみました!

画像: とんぼのライバル「つぶら」がコーチから伝授されたスリークォーターでも飛距離を伸ばす方法を、実際に試してみた

とんぼのライバル「つぶら」がコーチから伝授されたスリークォーターでも飛距離を伸ばす方法を、実際に試してみた

いったいどうやったらスリークォーターのままで飛距離が伸ばせるのでしょうか? それは伸張反射というのを利用する方法らしいです。筋肉というのは一定以上に大きく伸ばされると「筋肉が切れちゃう」という防衛反応が働いて素早く戻ろうとするらしく、この反応を利用することでスリークォーターでも速く振れるようになるわけです。

具体的にはテークバックで膝の高さぐらいまでクラブヘッドが上がったら切り返すんです。そうすることで一旦動き出しているクラブヘッドには慣性がついているのでまだ上に向かおうとするのですが、体はクラブヘッドとは逆方向に動いているために強烈な筋肉の伸びが生じます。ここで伸張反射が起こり、伸びていた筋肉が素早く戻ることでクラブを速く振れることになるんです。要はクラブヘッドが上がっているうちに切り返すってことですね。理論はなんとなく分かったので、とりあえずやってみましょう。

まずは7番アイアンを使っていつものスウィングで普通に打ってみて距離を計測します。

画像: 7番アイアンで普段通りに打つとこんな感じ

7番アイアンで普段通りに打つとこんな感じ

キャリーが144.8ヤードで、トータルの飛距離が155.1ヤード。まぁこんなもんでしょう。これがどのくらい変わるのでしょうか?

マンガで描かれているようにクラブが途中まで上ったところで切り返して打ってみます。つぶらは元からスリークォーターなのでクラブヘッドが右膝くらいで切り返していますが、僕は普通のスウィングなので、もう少し高い右腰くらいにクラブヘッドが来たときに切り返すイメージで振ってみます。

画像: このあたりで切り返すイメージです

このあたりで切り返すイメージです

キャリーが132.6ヤードで、トータル飛距離が139.0ヤード。う~ん、飛びませんね。ボール初速がまったく出ません。どうもしっかりと体の捻転ができていなくて、重要な伸張反射が起こっていないようです。これではただのハーフショットってことですね。

画像: まったく飛んでないですね……

まったく飛んでないですね……

実はマンガの中ではこのショットのコツが描かれていて、それは「テークバックを勢いよく上げる」ってことなんです。そうすることでクラブヘッドに強い慣性がつくので、腰の高さくらいで切り返す意識でも結局は普通のスウィングの位置くらいのトップになるし、しっかりと筋肉も伸びて伸張反射が起こるということなんですね。で、テークバックを勢いよく上げるためのドリルも描かれていたので、さっそくそれをやってみます。

画像: マレット型のパターカバーにボールを4個入れると、ちょうどいい重さの障害物になってくれます

マレット型のパターカバーにボールを4個入れると、ちょうどいい重さの障害物になってくれます

マレット型のパターカバーにボールを4個入れます。それをクラブヘッドの後ろにおいて後方に思いっきり払いのけるようにテークバックし、払いのけたらすぐに切り返す。

画像: 思い切って後ろにパターカバーをふっとばす気持ちでテークバックします

思い切って後ろにパターカバーをふっとばす気持ちでテークバックします

パターカバーは勢いよく後ろに吹っ飛んでいきますが、たしかにこのくらい勢いをつけてテークバックすると、切り返したときに左肩のあたりや背中側の筋肉が引っ張られるような感じがします。これが伸張反射なんでしょうかね。

ただ、最初はタイミングが合わず、トップしたりちょっと右に押し出したり。何球か打っているうちにだんだんとコツが分かってきました。やはり切り返しは下半身からするということが大事だし、グリップは緩めに握るということも大事なようです。強く握っていると、せっかくクラブが慣性で上に上がりたがっているのを邪魔しちゃいますからね。そしてついに凄いショットが出ました。

画像: キャリー150.6ヤード、トータル161.2ヤード! これは飛びました!

キャリー150.6ヤード、トータル161.2ヤード! これは飛びました!

キャリー150.6ヤードで、トータル飛距離が161.2ヤードです! いや~これは1番手くらい飛んでますね。ヘッドスピードもボール初速もアップしています。毎回このくらい飛ぶショットが打てるわけではないですが、普通のスウィングとほぼ変わらない飛距離がコンスタントに出るようになってきました。ただ、少しタイミングがずれるとちょっと薄い当たりになったりはしますが。

クラブヘッドが腰のあたりに来たときに切り返すイメージで打っているスウィングを後ろから撮ってもらいました。

画像: めちゃくちゃいい感じのトップになってます

めちゃくちゃいい感じのトップになってます

自分的には本当に腰のあたりで切り返しているつもりなのに、写真で見るとめちゃくちゃいい感じのトップになっています。今までもこういうトップを目指していたのですが、なかなかできなかっただけに嬉しいのですが、ちょっと複雑な気持ちです。自分の感覚と現実はこんなに違うのかと。

結論としてはこのスウィングをするのであれば、やはりけっこう練習をしないといけないなということと、アイアンはいいけど、ドライバーショットはさらに練習しないと難しいだろうなってことです。ただし、この練習をすれば、上半身と下半身の捻転差がしっかりと意識できたり、クラブを速く振るということがどういうことかというのが理解できるようになってくると思います。クラブがまだ慣性で上に向かっているときに切り返すことで自然とクラブにタメができるような気がしますね。

この感覚を自分のスウィングに上手く取り入れられれば、飛距離アップができそうな気がします。「とんぼ」はやっぱり勉強になりますな~。

This article is a sponsored article by
''.