今年こそ「メジャー無冠の大物」から脱却できるか
ツアー屈指の人気を誇るファウラーだがその実力や周囲の期待に対して優勝回数は少ない。プロデビュー戦の2009年のフライズドットコムオープンでいきなりプレーオフに進出したときには「いったいこの青年は今後いくつ勝星を重ねるのだろう?」と思ったもの。しかし初優勝はそれから3年を待たなければならなかった。
2015年には第5のメジャー、ザ・プレーヤーズ選手権を制しいるが「もっと勝ってもおかしくない」といわれながらすでに10年以上のキャリアで優勝は5回にとどまっている。アマチュア時代からの実績、知名度、人気を考えると現時点で二桁以上の勝利を収めていてもおかしくない。
今シーズン、ファウラーにとっては苦しい戦いが続いている。直近の3試合で予選落ちが2回、残りの1試合は37位タイでフェデックスカップのポイントランクは106位に低迷中。昨シーズンまでと比べて飛距離が落ちているのが気にかかる。
もちろん飛距離がスコアに直結するわけではないが昨季平均303.1ヤードでランキング30位だったのが、今季は293.3ヤードと10ヤード近く飛んでいないのだ。その分フェアウェイキープ率は上がっているが、昨季69.955だった平均スコア70.504とこちらもかなりの差が生じている。
現状を鑑みファウラーはフロリダシリーズ初戦のホンダクラシックからドライバーを昨年のモデルに戻した。
シーズン序盤使っていたコブラの最新ドライバーKing Speedzoneを抜き1つモデルの古いCobra King F9を投入。シャフトはフジクラのVentus Black 7X、グリップはGolf Pride Alignだ。
クラブをチェンジしたことが即結果につながるといえば答えはノーだが、来るべきメジャーシーズンに向け復調のきっかけを掴もうと本人も試行錯誤の最中。
松山英樹とともに“メジャー無冠の大物”のひとり。1カ月後に迫ったマスターズでは快進撃が見てみたい。なんでもおしゃれに着こなすファウラーにはグリーンジャケットが似合いそうだ。