米国ゴルフダイジェストが、米国以外のベストティーチャーとして選出したのは33カ国78人。もっとも多くの選出されているのはイギリスで、実に10人。欧州を代表するコーチであるピート・コーウェンや、ショートゲームの専門家であるフィル・ケニオンなど、メジャー王者を多数指導したレッスン界の重鎮が貫禄のランクイン。
次に多いのがオーストラリアで8人。カナダ6人。南アフリカと韓国がそれぞれ4人ずつ……ときて、中国、メキシコ、スウェーデン、スペインと並んで3人が選出されているのが日本。
気になるのは誰が選ばれたかだが、まず一人目は井上透。国内女子ツアーでは成田美寿々、穴井詩らを指導して一大派閥を形成し、ジュニア育成の第一人者でもありながら、最新のセミナーに頻繁に顔を出し、つねに勉強を続ける努力家でもある。世界ジュニアに日本代表選手を派遣するなど、国際的に活躍するコーチだ。
続いては、小山佳恵。アメリカ在住時にUSLPGA(米国女子プロゴルフ協会)ティーチング資格を取得し、2010年にUSLPGAティーチングA級に昇格。現在はUSLPGA ティーチング資格取得の日本窓口も担当している、“逆輸入ティーチングプロ”的存在。2018年にはUSLPGAの国際部門のティーチャー・オブ・ザ・イヤーを受賞している。
最後はトッド・ベーカー。カナダ出身で、ジャック・ニクラスゴルフアカデミーのシニアインストラクターとして日米通算22年を通して活躍。世界標準のレッスンをジュニアも含めて指導した功績が評価された経験豊富なベテランコーチだ。
こうして3人の顔ぶれを見ていると、やはりアメリカとの接点のあるコーチたちが選出されていることがわかる。米国の専門誌に「ベスト」と認められるのには、まずは米国でも“知られる”ということが大切なのかも。