ネックはヒールとセンターシャフトにヘッドはブレードとツノの4タイプ
テーラーメイドのパターといえば、斬新なヘッド形状による高慣性モーメントの効果で、ミスヒットに強く、距離感も合わせやすいことからツアーでも人気を博した「スパイダー」が有名ですが、新モデルの「トラス」もかなり独特なヘッド形状をしています。
ご覧の通り、建築分野で広く使用されている「トラス構造」をネック部分に採用。その効果で、オフセンターヒットをしてもヘッド軌道が安定し、ボールへしっかりとエネルギーを伝えてくれるようです。スパイダーとはまったく異なる方法で、高い慣性モーメントを実現したパターです。
試打用に用意されたのはヒール側にネックのついた「トラスTB1」と、センターシャフトタイプの「トラスTM2」の2モデル。見た目のインパクトとは裏腹に、構えてみるとどちらのモデルも違和感はありません。
むしろ、「違和感なく構えられる」ということは目線とパターヘッドが垂直に構えられているということで、正しい構えへと導いてくれる効果も感じました。
なんでもこのパター、テーラーメイドの看板プロであるダスティン・ジョンソンのために作られたという側面があるそうです。彼はクラシックなブレード型パターが好み。でも、ブレード型を使うと結果が出ず、高慣性モーメントのスパイダーを使うと結果が出る。そこで、構えた見た目はクラシックでありながら、性能は高慣性モーメントというトラスパターが生まれた、というわけです。まさに、必要は発明の母ですね。
トラスTB1はやさしいブレードタイプ
さて、では試打をしていきましょう。
ブレードタイプの「トラスTB1」を試打してみると、ブレードタイプなのにマレット型に近いオートマチックさを感じました。これは三角形のネック形状の重量増により、マレット型のようにフェースが空を向くフェースバランスに近くなっているからだと思います。重心深度が浅く操作性はいいのに適度なつかまり感があります。
ソールにあるウェートを確認してみると、ヒール側に12グラム (33インチの場合。34インチは7.5グラム) 、トウ側では20グラム (33インチの場合。34インチは15グラム)と、トウ側による多くのウェートが配分されています。それにより、ネック形状による重量増のバランスをとっています。
ウェートの効果もあってか、トウ側でヒットしても当たり負けするフィーリングはなく、ボールの転がりも安定していました。打感はアルミのフェースインサートの効果もありボールの持つ弾力が感じられ、繊細なフィーリングが伝わってきます。ボールをヒットする感覚が好きな人にマッチしそうです。
「トラスTM2」は ストレートなインパクトゾーン
センターシャフトタイプの「トラスTM2」は、テークバックの段階からフェースをボールに向けたままストロークしやすく、ヘッドの直進性が非常に高く感じました。
通常のセンターシャフトはシャフトがヘッドのセンター付近に装着されているため、シャフトを中心にヘッドが回転しやすく、難しいモデルとされがちです。しかし、このパターの場合、パターのトップラインがトウ側からヒール側までトラス構造の“面”で支えられているため、オフセンターヒットでもたしかにフェースがブレずにストロークすることができました。
ツノ型のヘッドは重心も深く慣性モーメントも大きいようです。ソールのウェートを見るとトウ側もヒール側も同じ15グラム(33インチの場合。34インチは10グラム)のウエートが装着されています。 以上のことから、インパクトゾーンでフェースを真っすぐに動かしたい人にはマッチするでしょう。
テストした二つのモデルは、ストロークやフィーリングによって好みがわかれるところでしょう。基本的に、ブレード型やマレット型を使っている人には「トラスTB1」を、センターシャフトやマレット型を使っている人には「トラスTM2」をまず試してみるといいと思います。
ただ、今使っているパターが入っている人はむやみに変える必要はありませんが、見た目と性能にいい意味でギャップがあるこの新発想パター、一度試してみるのは面白いと思います。
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