マネジメント会社の社長に
地元スコットランド(カーヌスティ)でメジャーチャンプに輝いたローリーは昨年50歳となりシニア入りを果たすとスコティッシュシニアオープンに優勝し健在ぶりをアピールした。
目立たないながらレギュラーツアー8勝を挙げ欧州ツアーの中心的存在だった彼は、ずいぶん前に妻のマリアンさんとポール・ローリー財団を立ち上げジュニアの育成に尽力。財団がスタートしてからのべ3万人の子供たちにプレーする場を提供してきた。
さらに2年前欧州ツアーのメンバーであるデビッド・ローのスポンサー探しを手伝ったことからローリー自ら『ファイブスター』というマネジメント会社を設立。現在本人を含む6名が所属しているだけでなく、プロアマ大会やパー3選手権などのイベントの運営やプロモーションも手がけている。
プロゴルファーが自ら電話を取りスポンサーとの交渉に当たるのは難しい作業に思える。しかしローリーは「昔からビジネス関係の人たちと話をするのが好きだった」という。
「以前は他の会社にマネジメントを依頼してたけれど、たとえばスケジュールにしてもスポンサー契約にしても自分はすべてを把握しておきたいタイプだった。だからマネージャーには“進捗状況をすぐに教えて”といっていたけれどなかなかそうはいかなかった。知らない間に所属選手が増えて自分まで手が回らなくなったりもしたね。だけど『ファイブスター』は違う。連絡を密にとって選手ファーストのマネジメントを心がけている。僕は正直なのが好きなんだ」
レギュラーツアー時代、彼には12社ものスポンサーがついていた。「選手の多くは自分がどんなスポンサーにサポートしてもらっているか知ろうとしない。でもそれも違うと思う。自分は頻繁にスポンサーと話をして相手を理解し、年に何回かは実際に会って、ときには9ホール一緒にプレーしてきた。お金を出してもらっている人たちにそうするのが礼儀だしコミュニケーションが大事だ。うちに所属している選手たちにもそうするようにアドバイスしている」。
ツアーで目立たなかったローリーの発言から心配りに長けた“人間力”が見え隠れする。選手を支える縁の下の力持ち(マネジメント会社社長)はいわれてみれば天職なのかもしれない。