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グリップは弾道に大きな影響を与える
ゴルフにおいてスウィングと同様に重要な要素となるのが、ゴルフクラブの握り方。ゴルフでは両手でクラブを握って球を打つわけだが、この握りの形のことを「グリップ」と呼ぶ。
ゴルファーとクラブの唯一の接点がグリップであるため、握り方によってスウィング動作やクラブ軌道にも大きく影響を及ぼす。もちろん手の大きさや指の長さ、手首の可動域などは人それぞれ違うので細かな部分までまったく同じにはならないが、グリップの種類は大まかに分類がされているので詳しくご紹介しよう。
なお、本記事では右利きのゴルファーを基準に記述していることをご了承いただきたい。
ゴルフグリップのどのあたりを握ればいい?
まずゴルフグリップのどのあたりりを握るかも、飛距離や安定性に関わってくる。グリップエンド側に近い位置で握るほど、クラブヘッドと手元の距離が長くなりスウィングアークが大きくなる。シャフトのしなりも活かしやすく、結果、飛距離は伸びやすいがその代わりにクラブのコントロールが難しくなる。
逆も然りで、短く握ればそのぶんだけスウィングアークは小さく、シャフトは硬くなり、安定性が向上するぶん飛距離は落ちやすい。
ではどのあたりで握るのがベストなのかと言えば、ゴルファーによって変わってくるというほかない。選んだシャフトの長さや硬さにもよるし、何より「振り心地が良い」と感じる基準もそれぞれ違うからだ。
ただ、ひとつの基準を挙げるならグリップエンドから指の幅1~1.5本分、ゴルフを始めたてのビギナーであればさらに短く、指の幅2本分ほど余らせて握ってみよう。この位置から、練習場などで微調整を重ねてしっくり来る位置を見つけると良い。
ただし、ある程度ゴルフに慣れている方であれば、握る位置は状況に応じて柔軟に変えていくのがベター。たとえばフェアウェイを外したくないときや短い距離のアプローチを打つときは、飛距離よりも安定性を重視して短めに握ったほうが狙ったところへ打ちやすくなるだろう。普段から様々な握りの長さを試しておくと、さらにベターだ。
握る強さは?
続いて、クラブはどれくらいの強さで握ればいいのか。これも個々人の握力などにもよるため「何割で握ろう」と一概に言うのは難しい。
ただ、古くからあるレッスン書などを見ると「小鳥をつぶさない程度」、「水に濡らしたタオルから水が滴らない程度」という表現が用いられており、基本的にはゆるく握る教えが多い。
こういった教えが多い理由は、強く握るとクラブヘッドの重量を感じられなくなり、そのぶん手首を動かしにくくなるから。手首を活かせないとヘッドスピードを上げづらくなり、結果的に飛距離が落ちてしまうため、ゆるく握ることが推奨されているわけだ。
逆に言えば、飛距離を出す必要がないアプローチやパターにはこの教えは当てはまらない。したがって、ショートゲームにおいては強く握ることを推奨するプロもいる。とくにパターに関しては手が白くなるほど握り込むプロもいることから、ゆるく握るパターンと強く握るパターンの両方を試して、よりしっくりくるほうを選ぶといいだろう。
左手の握る「角度」は弾道に大きな影響を及ぼす
グリップの形の中でもスウィングに大きな影響を及ぼすのが、左手の握り方。とくに、目標に対してフェースがスクェアにセットされたクラブに対し、左手をどの角度から握るのかが非常に重要となる。
角度によって左手のグリップは3種類に分けられ、それぞれ得意・不得意な動きが生まれてくる。目安として、構えたときに左手の第3関節(指の付け根の関節)=ナックルがどれくらい見えているかを基準に確かめてみよう。
スクェアグリップ
左手のナックルが2個見える角度で握るのがスクェアグリップ。
スクェアグリップは3タイプのうちもっともオーソドックスな握り方で、スウィング中にクラブフェースを開いて閉じる「フェースローテーション」の動きがしやすいのが特徴と言える。
ストロンググリップ
構えたときに左手のナックルが3つ見える角度で握るのが、ストロンググリップ(フックグリップとも)。
ストロンググリップはスクェアグリップよりもナックルが多く見える=より左腕を内旋した状態で握っているため、スクェアグリップに比べてフェースは返しやすい状態となっている。なのでスクェアに握ったときと比べてボールをつかまえやすく、スライスに悩むゴルファーはストロンググリップで握ると改善につながる可能性がある。
しかしそれゆえにフェースローテーションを積極的に行ってしまうと元々閉じていたフェースがさらに閉じ、フックや引っかけ、チーピンなどのミスにつながってしまう恐れもあるので、スウィングタイプによっては合わない可能性もある。
ヘッドが返りにくい現代の大慣性モーメントドライバーとフェースローテーションを積極的に行わないストロンググリップは相性が良く、ダスティン・ジョンソンやブルックス・ケプカをはじめ、ストロンググリップで握るプロも多い。
ウィークグリップ
握ったときに左手のナックルが1個しか見えなければ、ウィークグリップ。スクェアグリップよりもナックルの見える数が少ない=より左腕を外旋した状態で握っているため、スクェアグリップに比べてフェースを返しにくい状態ということになる。
そのため、インパクトでフェースを返すためにはより多くフェースをローテーションさせる必要があるため、基本的には左に飛びにくく、フックに悩むゴルファーにオススメの握り方と言える。逆にスライスに悩んでいるゴルファーは、スクェアに握っているつもりが実はウィークグリップになっていて、開いたフェースが閉じ切らないままインパクトしてしまっていた、というパターンも多いので今一度握り方を確認してみると良い。
左手の「どこで」握るかも大切
野球のバットやテニスのラケットは手のひらで握るが、ゴルフクラブのグリップはそれらと比べて非常に細い。そのため、左手のどこで握るかも非常に重要となってくる。握る位置は大きく分けて3つだ。
フィンガーグリップ
指先を中心に握るのがフィンガーグリップ。手首の動きを活かせるのでフェースコントロールの自由度が高い握り方となっている。
パームグリップ
指で握るフィンガーグリップに対して、手のひらで握るのがパームグリップ。深く握るため手首の動きが抑制されるのでフェースコントロールの自由度は低い。より方向性を活かすための握り方と言える。
セミフィンガーグリップ
セミフィンガーグリップは、フィンガーとパームの中間的なグリップ。指の付け根付近を中心に握ることで、フェースコントロールも方向性も適度にしやすい握り方だ。
右手はどう握る?
右手は、基本的に左手のひらと右手のひらが平行な状態になるよう握るのが基本。中指から小指の3本を中心に握り、親指と人差し指は添える程度の力加減。左手と右手に隙間を作らず、左手親指を手のひらで包み込むように握ろう。具体的に言えば、左手人差し指と右手薬指の側面を密着させる形だ。
では右手小指はどうするのかと言うと、これにもいくつかバリエーションがある。
オーバーラッピンググリップ
まず右手の小指を左手の人差し指と中指の間に乗せるのが、オーバーラッピンググリップ。右手小指を重ねることで両手の一体感が得られやすい。右手小指に力を入れづらい握り方なので、そのぶん右手の感覚が弱まり左手主導で振りやすくなる。
インターロッキンググリップ
右手の小指と左手の人差し指を絡ませるように握るのが、インターロッキンググリップ。絡めるように握るので、オーバーラッピングよりもさらに一体感が出やすく、両手でクラブをコントロールする感覚が強くなる。手が小さく、オーバーラッピングだと握りにくいゴルファーにもインターロッキングがオススメされることが多い。
テンフィンガーグリップ
オーバーラッピング、インターロッキングと異なり、右手小指を左手と重ねずに、左手と右手10本の指すべてで握るのが、テンフィンガーグリップだ。左手親指をシャフトに乗せる握り方をテンフィンガー、左手親指を外す握り方を野球のバットを握る形になぞらえて、ベースボールグリップとも呼ぶケースが多い。
オーバーラッピング、インターロッキングは右手小指と左手人差し指が重なる形で握っているが、テンフィンガーは指が重なることがない。両手の間隔がほかの2つの握り方と比べて広くなるぶん、右手や左手それぞれの感覚を出しやすいことが利点として挙げられる。
パワーがない方や衰えを感じてきた方にもオススメと言える。右手で左手親指を押さえなくなるので、左手首に負荷がかからず故障しにくいのもメリットだ。
自分に合ったグリップを見つけることが大事
右手と左手、それぞれの握り方について列挙したが、これらはあくまで「基本形」であることを念頭に置いてほしい。たとえばPGAツアーで活躍するロリー・マキロイは、左手はストロンググリップで握っているが、右手は左手のひらと平行にせずかぶせて握っている。
重要なのはターゲット方向へ飛ばすための握り方。マキロイのように自分に合ったグリップを見つけることが重要で、そのためには様々なグリップを試していくほかない。
パターのグリップはさらに多彩
さて、ここまで解説してきたのはウッド類やアイアン、ウェッジでのお話。パターについては、形状のバリエーションがほかのクラブよりも多彩であること、距離感と方向性の正確さが求められるクラブであることから、それに合わせて個性豊かなグリップが多数存在するわけだ。いくつかご紹介しよう。
逆オーバーラッピンググリップ
ポピュラーな握り方のひとつが、逆オーバーラッピンググリップ。その名の通り、前述したオーバーラッピンググリップに近い握り方だ。
オーバーラッピングでは左手側から握り、右手小指を左手の人差し指と中指の間に乗せていたが、逆オーバーラッピングでは、左手人差し指を右手小指と薬指の間に乗せるように握る。
オーバーラッピングと違い、右手の指5本で握るため、右手の感覚が活かしやすいことが特徴だ。また、逆オーバーラッピングで握ると手首の動きが制限されるため、余計な動きが起きにくく方向性が安定しやすい。ショットのグリップに近いため違和感が生じにくいのもメリットのひとつだ。
クロスハンドグリップ
ゴルフクラブを握る際は左手が上、右手を下にして握るのが基本だが、クロスハンドグリップでは右手を上、左手を下にして握る。
クロスハンドグリップは左腕とパターを一直線な状態に保ちやすく、インパクトで手首が折れる動きが抑えられることがメリット。手首の動きが少なく、肩の動きで打つタイプのゴルファーに合う握り方だ。フェースの開閉が起きにくいので、フェースバランスのパターと相性が良い。
ベースボールグリップ
ベースボールグリップは野球のバットと同じく、両手の10本で握り、左手の親指はシャフト上に置かない形となる。
手首の動きがかなり限定的になりフェースの開閉も少なめなので、軌道が安定しやすいのがメリット。手首の動きを抑えたい方はベースボールグリップを試してみるといいだろう。
クロウグリップ
左手はショットのグリップと同じように握り、右手は親指と人差し指の間にシャフトを挟むように握るのがクロウグリップ。
左手はある程度しっかり、右手は添える程度に握ることで、左肩がスウィングの支点となり軌道が安定しやすい。ストローク中に操作がしにくい握り方なので、パンチが入りにくく、慣性モーメントの大きいマレット型のヘッドと相性が良い。
パターのグリップに関してはプロシーンを見ても選手ごとに千差万別。様々なグリップを試してみて、自分に合うグリップを見つけるのが吉だ。