ダボを防いであわよくば……を狙うには?
太平洋クラブ美野里コースは日本プロゴルフ選手権の最終予選の会場でもあり、11月開催のTOTOジャパンクラシックの開催コースでもある戦略性の高いコース。その16番ホール・パー3はフロントティから155ヤード。しかも、グリーンまで池が迫り、で左右両サイドにバンカーまで配されている。
このホールのある日のピン位置は、写真のとおりの右の奥。
ピンはやや奥なので、ピンまでの距離は約160ヤード。風は無風でとにかく池は越えたい状況だが、大きい番手を持って当たりが良いと奥に外した場合上って下る難しいアプローチが残る。かといってゆるむと池が待っている。
また、ピンの右にはバンカーがあり、右ピン狙いで右サイドに外すと寄せるのはこれまた難しい。左サイドには池が回り込んでいて、距離が足りないと池に入りそうに見える。ベストはピンの手前から左手前にかけてで、そこからなら上りの真っすぐのパットが打てる。
さて、この状況みなさんはどう攻めますか?「プロゴルファーが勧める攻め方」が以下の選択肢に一つだけあるので、選んでもらいたい。
ピンまで160ヤードの写真の状況、どう攻める?
なぜこの答えが正解なのか。プロゴルファー中村修に聞いた。
「この状況でまず避けたいのは池ポチャ。距離ぴったりの番手を選べば、ゆるんだり力んだりしにくいので、番手はぴったりのものを選びます。そして、右サイドも徹底的に避けたいので、センター狙いが正解です」
そして、実際に狙う際には「ドローかフェードか決めて打つ」ことが大事だと説く。
「池越えのプレッシャー下でも力むことなく打てるスウィングをするためには、ドローでもフェードでもいいので、持ち球で攻めることがなによりも重要です。ドロー系であればピンからドローする弾道で狙えば、仮に左に曲がり過ぎても難易度の高くない左バンカーでおさまってくれます。フェード系であればグリーン左サイドからセンターに着弾する弾道をイメージすれば、逆球が出ても池越えの距離は確保できますし、右に曲がり過ぎたとしてもグリーンの右サイドには残るはずです。左右にハザードがある場合は自分の持ち球から攻め方を考えることがスコアメイクのポイントです」(中村)
ちなみに、ピンの手前から左手前にかけては、ピンに対して上りの真っすぐが打てる「ゼロライン」になる。
「『ゼロライン』に置くことができれば100点ですが、そこまで欲張らなくても2打目で『ゼロライン』にボールを置くことを考えれば、入れられる確率の高いパーパットを打てます」と中村はアドバイス。
このホールを実際にラウンドしたアマチュアゴルファーの一人はピンの左サイド7メートルを入れてバーディ。他の二人は右サイドに外したが2打目をゼロラインに戻しボギーで切り抜けたという。では中村はどうだったか。
「距離ピッタリの7番アイアンを持ち、狙い通りのドローボールでピン左手前1ピンに乗ったのですが……パーでした」
とのこと。意図通りの球を打ち、理想のゼロラインにつけたとしても、そのパットが入るとは限らない。それがゴルフというものだ。