実はアマチュア時代にツアー初出場初勝利のミラクル快挙を達成していた
欧州ツアーでのアマチュア優勝は史上3人しかいない。ローリーはその3人目にして最後のひとりだ。
舞台は2009年のアイリッシュオープン。彼にとってそれがプロデビュー戦。2日目に「62」と爆発し最終日はローバト・ロック(もちろんプロ)と並び首位タイからのスタート。しかし最終ホールで1.2メートルのパットを外し決着はロックとのプレーオフにもつれ込んだ。
サドンデス1ホール目はお互いにパー、2ホール目はバーディで分け迎えた3ホール目。パーをセーブしたローリーに対しロックがボギーを叩き、22歳のローリーがツアー初出場にして初優勝をもぎ取った。
「言葉になりません。招待されて出場することができて、ただ予選さえ通ればいいと思っていた。でも2日目に『62』が出たときには勝てるような気がしていました」と当時ローリーは語っていた。ちなみに欧州ツアーデビュー戦で優勝したのは史上6人しかいない。
全英オープンを制し地元でメジャーチャンピオンに輝いたのがそれからちょうど10年後の19年。しかも前年まで全英で3年連続予選落ちしており、カーヌスティで行われた18年大会では決勝ラウンド進出を逃したあと駐車場で泣き崩れ「ゴルフなんて友達じゃない!」とつぶやいていたのだから地獄から天国へ。その落差はあまりにも大きい。
ところでアイリッシュオープンで勝ったときはアマチュアのため当然賞金は貰えない。しかし母ブリジットさんのある機転がローリー家に大金をもたらした。
なんでも賭けにするお国柄、ブリジットさんはオッズ250倍だった息子の優勝に賭けて1万5千ポンド(約200万円)を“儲けて”いたのだ。それがプレーした本人と応援に駆けつけたローリー家御一行様の遠征費になったというから母は偉大?!
今年の全英オープンがあってもなくてもローリーの記録は燦然と歴史に刻まれ続ける。