打ち下ろしを見るか、見ないかがポイント
太平洋クラブ御殿場コースの17番ホールは、グリーンからティを振り返ると目の前に大きく富士山が見える素晴らしい景観のホール。距離はレギュラーティ164ヤード、バックティ195ヤード、トーナメントティは230ヤードと距離がありグリーン手前には池とバンカー、そして縦長の砲台グリーンのため左右に外すとやさしくない寄せが残る。
プレーの条件は、距離はレギュラーティの164ヤード、打ち下ろしは4ヤード。真ん中やや左サイドに切られたピンに対してどう攻めるのが正解か?
ピンまで164ヤードのこの状況、どう攻める?
なぜこの答えが正解なのか。プロゴルファー中村修は、「この状況で気をつけなくてはならないのは、手前と左右」だという。
「まずこのホールはショートしてバンカーにつかまりやすいで、それを避けます。なぜならグリーン手前のバンカーが大きいために、錯覚を起こし近く見えてしまいピンまでの距離感を出しにくいんです。池を越えることは最低条件ですが、バンカーの目玉も避けなくてはなりません。打ち下ろしを考慮して、ぴったりのクラブを持つと近く見える分弱く打ってしまいショートするのです。さらに少しでも曲げて左右へ外すと、砲台グリーンへ打ち上げるアプローチが残り、グリーンの幅が狭く感じるため難易度は激ムズです。ベストなのは高い弾道でドスンと上から落とすことですが、奥に外してもいいくらいの気持ちで表示通りの距離のクラブでセンター狙いにすれば、しっかり振り抜けて曲がりの幅も少なくなるでしょう。仮に奥に外したとしてもパターやUTで転がし上げる戦法で行けばグリーンを長く使えるのでボギーでは切り抜けられるはずです」(中村)
このホールの難しさは、砲台グリーンで縦長のグリーン形状によって左右のブレに対するプレッシャーをかけつつ、打ち下ろしと手前のバンカーで距離のプレッシャーもかけてくるところ。設計者の意図を読み取ることで自分に合ったマネジメントが見えてくることだろう。
トーナメントでプロをも苦しめる難ホールこそ手前、左右、奥のどこかにアマチュアゴルファーでも寄せやすいエリアがあるはず。罠を見極めてボギーで切り抜ければOKと割り切るとご褒美でパーやバーディが来るかもしれない。