「あの人、このコースのクラチャンだよ」「クラチャン予選に向けて、ドライバー新しくしたんだ」。メンバーシップのゴルフ場に行くと、会員同士がこんな会話をしていることがある。どこか畏敬の念を込めて語られる“クラチャン”という称号。一体どんな人のこと?
クラチャン=クラブチャンピオン
近年ではやや形骸化している感もあるが、日本にあるゴルフコースの9割以上がメンバーシップコースである。欧米と同様の……とはいかないものの、メンバー同士によるクラブライフというものがそこには存在する。その象徴的な存在が、「クラブチャンピオン」、いわゆる“クラチャン”だろう。
クラチャンとは、コースごとに年1回行われる「クラブ選手権」の勝者のこと。つまり、(少なくとも1年間は)そのクラブでいちばん上手い(強い)プレーヤーということになる。いわばコースの“顔”であり、他のメンバーからは一目置かれる存在。競技を志すゴルファーなら、一度は手にしたいタイトルだ。
クラチャンになると、クラブハウス内に掲示されるチャンピオンズボードに名前が刻まれたり、クラブを代表する名手という名誉を得られる。また、クラチャンだけが集まって日本一を決める試合(報知アマ)も存在する。
ちなみに、クラブ選手権の本戦は、マッチプレーで行われるのが通例である。古来よりの伝統を重んじているということ。本戦に進むプレーヤーは、ストロークプレーによる予選によって決める。これもまた、クラブ競技の伝統である。