渋野日向子のコーチであり、2020年のレッスン・オブ・ザ・イヤーを受賞した青木翔。たしかな指導力と、スウィングに対する知識を持つ彼に、男女それぞれの「スウィング5選」を選出してもらった。まずは女子から紹介!

渋野のいいところは「振ってコントロールできる」ところ

「一番はやっぱり、しぶこですね。自分でいうのもアレですけど」

というわけで、青木翔に女子のベストスウィンガー5選を問うと、真っ先に名前が挙がったのは教え子である渋野日向子の名前だった。では、青木は渋野のどこを評価するのか。

画像: 振ってコントロールできるところが渋野日向子の強みだと青木はいう(写真は2019年のLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ 撮影/岡沢裕行)

振ってコントロールできるところが渋野日向子の強みだと青木はいう(写真は2019年のLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ 撮影/岡沢裕行)

「一番は振ってコントロールできているところです。振りを抑えてコントロールするのではなく、振っていくなかでコントロールできるのがしぶこの強み。アドレスで調整をしているのですが、抑えて打つときはアドレスを小さくするなど、そのフィーリングを作るのが上手いんです」

渋野に続いて名前が挙がったのは、3人の世界的プレーヤーたち。2010年の米女子ツアー賞金女王であるチェ・ナヨン、日本ツアーでも大活躍している元世界ランク1位のシン・ジエ。そして現在世界ランク8位のミンジー・リーだ。

画像: 米女子ツアー元賞金女王のチェ・ナヨン(左)、現在世界ランク8位のミンジ―・リー(中)、元世界ランク1位のシン・ジエ(右)

米女子ツアー元賞金女王のチェ・ナヨン(左)、現在世界ランク8位のミンジ―・リー(中)、元世界ランク1位のシン・ジエ(右)

「チェ・ナヨンには女子にしか出せないスウィングのやわらかさがありますよね。あれは出せといって出せるものではありません。そして、常に一定のリズムです。シン・ジエは球の操作性とオートマチックさ。いつも同じように振れるし、すごく自分を持っています。ミンジー・リーは飛んで曲がらない代表格。左軸っぽいスウィングで、ボールを潰すように打って高さも出せるのがすごくいい」

とくにミンジー・リーはお気に入りのようで、現在指導する三ヶ島かなには彼女のイメージを伝えているという。そして、最後に名前が挙がったのが、上田桃子だ。

画像: 上田桃子は「体の芯ひとつで振っている」と青木(写真は2019年の CATレディースゴルフトーナメント 撮影/姉崎正)

上田桃子は「体の芯ひとつで振っている」と青木(写真は2019年の CATレディースゴルフトーナメント 撮影/姉崎正)

「体の芯ひとつで振っている、という印象です。以前よりも脚の動きが静かになり、横揺れも減っています。手でコントロールしている感じがなくて、体の左サイドでしっかりとスウィングをコントロールしている。昨年、右手指を怪我したまま優勝した試合がありましたが、それも手でクラブをコントロールしていないからこそ。本当に、ズルいくらい強いです(笑)」

青木によれば、選んだ5人のスウィンガーは「全員が勝負師」である点が共通点だという。青木のいう勝負師とは、「土壇場に強く、自分のことがわかっていて、自分の体をコントロールできる選手」だという。その結果、長くツアーで戦えている選手が多い。

渋野は今シーズンがツアー2年目。一体どんな活躍を見せてくれるのか、まだまだ先行きは見えないが、ただただ開幕が待ち遠しい。

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「腰からねじる」は正しくない!? ヘッドスピードが上がる“捻転差”の作り方

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