2020年度JLPGA女子プロテスト合格へ向け練習を続ける美女プロ・小澤美奈瀬が、プロゴルファー・中村修と修行ラウンド。スコアメイクに重要なパー5のマネジメントについて学ぶ!

ホールを“逆算”して考えることが大事

2021年シーズンの女子ツアー参戦に向け、今年のプロテスト合格を目指すUSLPGAティーチング会員の小澤美奈瀬は、人気テレビ番組「ゴルフサバイバル」2020年3月の陣の練習ラウンドをきっかけに、みんなのゴルフダイジェストの編集部員でもあるプロゴルファー・中村修に師事。プロテスト合格へ向け、さらに実力を高めるべく絶賛修行中だ。

さて、18ホールのなかでスコアを伸ばすうえで重要となってくるのがパー5のホール。パー72であれば4ホールあり、ここでの結果はスコアや順位にも大きく影響する……のだが、パー5のマネジメントの精度に関して「小澤さんはまだまだ甘い部分があります」と中村。

「重要なのはバーディチャンスにつけるためのマネジメント。なんとなく、たまたま獲れたバーディでは次につながりません。事前にホールの攻略手順をピン位置から逆算し、3打目でバーディエリアにボールを運べるかが重要なんです」(中村)

狙ってバーディがとれるマネジメントの目的は、4打目のバーディパットを「ゼロライン」と呼ばれる、上りの真っすぐのラインを残すこと。そのために、3打目はどこからアプローチを打てば寄るのか。理想の3打目地点へボールを運ぶためのセカンドショット、さらにティショットと、ピンからティイングエリアへ逆算して考えることが大事だと中村は言う。もちろん、コースの障害物や自分の得意距離などを念頭に置いたうえでだ。

3月某日、二人が修行の拠点とする都内からアクセスしやすい“スループレー専用コース”、千葉県・太平洋クラブ八千代コースで行った練習ラウンドでも、小澤のマネジメントが上手くいったホールとそうでないホールがあった。

画像: 千葉県・太平洋クラブ八千代コース。都心からアクセスしやすいスループレー専用コースだ(写真は17番ホール パー5)

千葉県・太平洋クラブ八千代コース。都心からアクセスしやすいスループレー専用コースだ(写真は17番ホール パー5)

結果から言えば、全4ホールあるパー5のうち、しっかりマネジメント通りに事を運べたのは、バーディが取れたホールではなく、パーで上がった500ヤード、左ドッグレッグの11番ホール。

画像: 500ヤード、左ドッグレッグの11番ホール、ティイングエリアからの風景

500ヤード、左ドッグレッグの11番ホール、ティイングエリアからの風景

フェアウェイ左端にはグラスバンカーがあり、さらにその左には大木の壁。フェアウェイ中央にも木が障害物として待ち構えている。グリーンの120ヤード手前の地点にもフェアウェイ中央付近に大きな木があり、グリーン左手前はバンカーとなっている。

「良い位置で3打目のアプローチを打つにはセカンドショットでグリーン手前120ヤード付近の木を越えておくことが必須。そのためにはまず、フェアウェイ中央にある木がセカンドショットの邪魔にならないよう、ティショットの落としどころを考えることが大事なホールです」(中村)

まずティショットではフェアウェイ右サイドを狙って打った小澤。

「左側を攻めてしまうとグラスバンカーに入ってしまったり、ミスショットした場合にホール左側の大木の壁で3打目地点を狙えなくなるリスクがあります。小澤さんはフェアウェイ右サイドを狙ってティショットを打つことで、左の大木の壁もフェアウェイの木も邪魔にならない位置にボールを置けていますね」(中村)

画像: フェアウェイの右サイドを狙い、ティショットを打った小澤。コース中腹のフェアウェイにある木はセカンドショットを打つ際の障害にならない位置取りとなっている

フェアウェイの右サイドを狙い、ティショットを打った小澤。コース中腹のフェアウェイにある木はセカンドショットを打つ際の障害にならない位置取りとなっている

そしてセカンドショットも狙い通りにグリーン手前の木を越えて、絶好の3打目地点からアプローチに挑むと、これを見事に寄せ切り、バーディチャンスにつけた。

画像: セカンドショットはグリーン手前の木を越えて、絶好のアプローチ位置に

セカンドショットはグリーン手前の木を越えて、絶好のアプローチ位置に

バーディパットを決めきれずパーで終わってしまったものの、マネジメント通りに攻略できたホールだった。

画像: 惜しくもバーディパットは入らず。11番ホールはパーとなった

惜しくもバーディパットは入らず。11番ホールはパーとなった

対して、マネジメントで失敗をしてしまったのが、バーディを獲得した494ヤードの1番ホール。

ティイングエリア正面から見える大木を避け、「右側からドローで攻められれば完璧で、ドローがかかり切らなくてもフェアウェイ右端に真っすぐ飛んでくれればオッケーだなと思って打ちました」(小澤)というティショットは良かったのだが、問題は2打目だ。

「小澤さんが苦手意識のあるやや打ち下ろしのシチュエーションということもあり、力んでカット軌道が強くなり左側に飛んでしまったんです」(中村)

画像: 1番ホールの2打目。やや打ち下ろしの状況でピンを狙って打った結果、グリーン左のバンカーに入れてしまう

1番ホールの2打目。やや打ち下ろしの状況でピンを狙って打った結果、グリーン左のバンカーに入れてしまう

結果、グリーンを狙った2打目はグリーン左のバンカーに落ちてしまう。ピンはエッヂから近くグリーンに落としてすぐに止めるような難しいバンカーショットが残ってしまった。

「この日のピンポジはグリーンの左手前側、バンカーに近い位置です。ピンを狙い過ぎた結果、バンカーに入れてしまうというリスクを背負い、実際にその通りになってしまいました」(中村)

今回の場合は「ピンポジを考慮してグリーンの右側を活用するのもアリでしたし、2打目は刻んで3打目のアプローチでしっかり寄せ、4打目のバーディパットを入れやすい位置に持っていくという手もありました」と中村。

それでもこのホールでバーディを獲れたのは、バンカーからの寄せがピンフラッグに当たって止まってくれたためだ。

画像: 3打目のバンカーからのショットはピンフラッグに当たって止まり、4打目のパットも決めて1番ホールをバーディとした

3打目のバンカーからのショットはピンフラッグに当たって止まり、4打目のパットも決めて1番ホールをバーディとした

「結果こそバーディですが、これはラッキー。マネジメントはリスクを減らし確実にバーディエリアに3打目を運ぶためのもので、2打目で難しいバンカーに入れてしまうのは最悪と言える状況ですからね」(中村)

「やっぱりピンを狙っていっちゃうので、気を付けたいですね」(小澤)と、小澤もバーディを獲ったとはいえやはり課題が残るホールとなったようだ。

もちろんマネジメント通りにすべてが上手くいくほど簡単ではないのがゴルフ。最悪の状況からの打開策の用意も必要ではあるが、リスクを減らしていけば無駄に打数を増やすこともなくなる。そのためのコースマネジメント、というわけだ。

パー5でのコースマネジメントはプロアマ問わず、スコアメイクを左右する重要な要素。ラウンドの際は、ピンから逆算してコース攻略を考えてみてはいかがだろうか。

協力/太平洋クラブ八千代コース

This article is a sponsored article by
''.