切り返しで一瞬動きが止まるスウィングが特徴的だった松山英樹。ここ最近はその独特なスウィングテンポがプロデビュー当時のようにスムーズに切り返すようにチェンジしたことで調子が向上し成績にも表れていた。在米ゴルフジャーナリストのアンディ和田が分析した。

テークバックのスピードが“速く”なっている?

現在世界ランク22位につける松山英樹。昨年のマスターズ終了後の26位から比べるとそんなに躍進していないように思われるかもしれませんが、この1年間の内容はかなり充実した内容になっています。

日本ではあまり知られていませんが、「Sagarin」という多くのプロ・大学スポーツが採用する1年(52週間)間の活躍を示すコンピューターランキングで、松山は現在7位になっています。2年間のデータを採用する世界ランキングとは計算方法が異なり、違った視点の指標ですが、正しい評価になっていると感じます。

アメリカ西海岸で開催されていたPGAツアーの試合会場では、複数の米ゴルフ記者が「ヒデキの切り返しのリズムが以前よりも速くなったね」 と話題にしていました。 昨年秋に日本で行われた「ZOZOチャンピオンシップ」や「ダンロップフェニックス」で生の松山英樹の鋭いショットをご覧になったヒデキファンも、きっと同じような印象を持たれたと思います。

具体的にどの部分がどれぐらい変わったのか。 2014年の「シュライナースホスピタルforチルドレンオープン」と2020年の「ジェネシス招待」でのドライバーショットを比べてみました。

画像: 2014年のスウィングではスウィング始動からトップまでが0.968秒。クラブヘッドが方向転換し、切り返しの動作になったのが1.135秒。インパクトまでは1.3675秒

2014年のスウィングではスウィング始動からトップまでが0.968秒。クラブヘッドが方向転換し、切り返しの動作になったのが1.135秒。インパクトまでは1.3675秒

まずは2014年のスウィング「シュライナーズホスピタル」ではスウィング始動からトップまでが0.968秒。クラブヘッドが方向転換し、切り返しの動作になったのが1.135秒。インパクトまでは1.3675秒でした。

画像: 2020年の「ジェネシス招待」ではスウィング始動からトップまでが0.916秒。クラブヘッドが方向転換し、切り返しの動作になったのが1.040秒。インパクトまでは1.2735秒

2020年の「ジェネシス招待」ではスウィング始動からトップまでが0.916秒。クラブヘッドが方向転換し、切り返しの動作になったのが1.040秒。インパクトまでは1.2735秒

今年2月の「ジェネシス招待」ではスウィング始動からトップまでが0.916秒。クラブヘッドが方向転換し、切り返しの動作になったのが1.040秒。インパクトまでは1.2735秒でした。

始動からトップまでトップの「間」切り返しスタートインパクトフィニッシュ
2014年0.9680.1671.1351.36751.703
2020年0.9160.1241.0401.27351.574
数値差0.0520.0430.0950.0940.129

この2つのスウィングを比べてみますと、クラブ始動からインパクトまでは0.094秒とほんの一瞬ですが、やはり速くなっています。スウィング中の位置別に分けてみると松山独特のトップの「間」は0.043秒と速くなっていますが、それ以上にテークバックが0.052秒速くなっているのがわかります。 トップの間合いよりもテークバックが速くなっているのは意外でした。

スウィングテンポが向上したことでどのような結果をもたらしているか? という点ですが、いくつかあります。 今シーズンはここまでパーオン率が71.56%(ツアー13位)という好データを残しています。 これまで年間を通してパーオン7割をキープしたことはないので今後どうなるか? また最終ラウンドはアーノルドパーマー招待の最終日「77」を含めても平均ストローク 68.20と「サンデーヒデキ」らしさが戻ってきています。

予定されているPGAツアー再開後のスケジュールは現在6月中旬となっています。 注目度が高いメジャー競技を含めまだ今後どのようになるかは不透明ですが、また世界最高峰の舞台で「HIDEKI」が活躍するのが待ち遠しいですね。

画像: 今江敏晃の悩みを杉山美帆が解決!狙ったところにピタッと止まるアイアンショットの打ちかた youtu.be

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