「中国ツアーは開幕の1か月前くらい前に中止の連絡がきていましたし、5月開催の台湾ツアーの試合も、3月頃には中止の連絡がありました。ツアーがいつ再開するかは、まだ連絡がありません」
そう中国ツアー、そして台湾ツアーの現状を教えてくれたのは、昨季中国ツアーのシード権を獲得し、台湾ツアーではQT(予選会)で上位につけて出場権を得ている笹原優美。
中・台両ツアーで力をつけ、一番の目標でもある日本のプロテスト合格を目指すというのが彼女の2020年シーズンの青写真だったが、1月に開幕した台湾ツアー「日立レディス」に出場して以降、新型コロナウイルスの影響で試合に出場できない日々を過ごしている。
台湾ではウイルスの押さえ込みに成功していると言われるが、試合が開催するのかはまだ未定。その裏側には、ツアーの多国籍化があるという。
「台湾ツアーも半数は海外選手。仮に試合がやるとなっても海外選手は2週間隔離されてから入国になると思うので、開幕されても行けないかなと思っています」
同じくウイルス押さえ込みに成功していると報道される韓国では、5月中旬にツアー競技が開催されるとKLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)のホームページで発表された。ただ、日本ツアーも含め、台湾、中国ツアーも今はまだ試合がいつ開催されるのか不透明な状況だ。ただ、そのなかでも笹原自身は前向きだ。
「昨シーズンの中国ツアーの最終戦が12月頭で、台湾の開幕が1月中旬だったので、もともとオフが短かったんですよ。なので、この(ツアーのない)期間に、オフにやりたかったトレーニングができています。トレーニングやスウィングの改善は試合中やシーズン中は取り組むのが難しいので、そこにしっかり時間が取れているんです」
ツアーを“かけもち”しつつ日本の女子プロテスト合格を目指すという、いわば“三足のわらじ”を履く予定だった笹原。試合がないことで、結果的には充実したオフシーズンを過ごせているようだ。
とはいえ、プロゴルファーはツアー会場が仕事場。それがない現状は「今はよくても、この状況が続くと金銭面が不安」だという。試合がないことは仕方がないことで、自分ではコントロールできない。だからこそ歯がゆいというのは、おそらく今世界中のプロゴルファーが感じていることだろう。
日・中・台を股にかけた活躍を見られる日がいつの日になるのかはまだわからない。しかし、その日がきたら、旅する女子ゴルファー・笹原優美に注目だ。