回転を止めない! 回転を妨げないための“ルックアップ”
数々の記録を打ち立て、ベストスコア59も達成したアニカですが、日本では2001年から5連覇を達成した「ミズノクラシック」の印象が強く残っている人も多いのではないでしょうか。スウェーデン出身ですがアリゾナ州立大のゴルフ部を卒業し1993年にプロ転向。1995年には早くも賞金女王に輝きに以降8度の賞金女王に輝く活躍を見せました。
全盛期のアニカは飛距離はツアーでもナンバー1でフェアウェイキープ率も80%くらいあったというそのスウィングを見てみましょう。
画像A左のアドレスの画像を見てみると、左手はこぶしが二つ見えるくらいのスクェアグリップで握り、右手は少しかぶせて握っています。手元を体の真ん中に置くのも特徴的です。後方からの画像がないのでわかりにくいですが、前腕とシャフトが一直線になるように少しハンドアップで構えています。
そこからトップでは左手首はやや甲側に折れてフェースも少し開いていることがわかります。左右の移動の幅が見えるように赤い線を引きましたが、頭はややターゲット後方に動くもののほぼセンターで回っています。
左の画像を見ると切り返しで左サイドに水平移動してから回転しています。体の回転に伴ってフェースを返しながら振り抜くスウィングで、下半身の回転する力が上半身に伝わり、インパクト前後ではしっかり肩が回っていることが見て取れます。
ターゲット方向にルックアップするのも体の回転を妨げないようにしていた結果としての動きでしょう。
168センチの長身を生かしたアップライトで回転を重視したスウィング。再現性の高さはドライバーからウェッジまで同じテンポで振るからだとは本人の弁ですが、試合中にキャディとスウィングテンポを確認もしていたようです。スウィングのテンポを一定に保っていたからこそ、優勝争いの中でも落ち着いてプレーしているように見えていたのでしょう。
1993年から2008年まで15年間活躍し、現在は再婚して2児の母。充実したセカンドライフを送っています。アニカから学んだことは、早くてもゆっくりでも自分のテンポを保つ意識を持ってその日をプレーすることです。なかなか難しいですけどね。