ウェッジのバウンスの効果は人工マットと芝生では大違い
ウェッジ選びはロフトやバウンスの形状など、打ち方や前後の番手のロフトも含めて考慮すべき要素は多い。またバンカーが苦手や上げるのが得意とその人の寄せ方によっても選ぶモデルは変わってくる。
従ってメーカーも様々なモデルをラインナップしていて、たとえばプロの使用率の高いタイトリストのボーケイSM8においては、9種類のロフト角、5種類のバウンス角、そして6種類のソール形状を網羅している。
そこでショップでの試打をして打ちやすいモデルを選ぶことになるのだが、ここで気を付けて欲しいことがあると栃木県佐野市のアフターゴルフのクラフトマン佐藤順さんは言う。
「とくにサンドウェッジの試打ではフェースを開いて高く打ったり、低く転がしたりして抜けのよさや打感、計測器があれば距離感など考慮して選びますよね。でも人工芝のマットと芝生ではバウンスの当たり方は同じではありませんので、人工芝のマットで上手く打てたモデルが合うウェッジとはならない場合があります」(佐藤)
人工芝のマットで打てたからといって芝の上でも同じように打てるかと言えば決してそうではないというわけだ。一番多いのはマット上だとハイバウンスのモデルではバウンスが跳ねてしまいトップ気味に当たるため、バウンスが少なめのモデルのほうが打ちやすく感じるケースだという。
しかし、実際にはボールは芝生の上にあり、わずかに浮いている場合がほとんど。その状態でローバウンスのウェッジで打つとだるま落としのようになりかねないと佐藤さんは指摘する。
「人工芝のマットで打つ場合は、バウンスが当たり過ぎるくらいでちょうどいいと思います。バウンスの大きさや幅、形状は入射角によって選びますが、入射角が浅くさらっと打つ人でもマットの上ではバウンスが当たる感触があるくらいで選ぶのがベストではないでしょうか」(佐藤)
さらにバウンスの当たり方次第では飛距離にも影響が出ると続ける。
「バウンスの当たり方が変わると飛ぶ距離も変わるので距離感に影響が出ます。バウンスが当たり過ぎると飛び、当たらな過ぎると飛ばない傾向にあります。マットの上で計測する際には少し飛び、実際の芝の上では飛距離は落ちると覚えておいてください」(佐藤)
グリーン周りで使うウェッジは芝が短い場所や深いラフ、バンカーと様々な状況に対応するためバウンス選びが重要なのはご存じの通り。佐藤さんによるとバウンスの形状によっても球の飛び方や抜けが変わるからバウンスの大きさだけでなく形状も大事だという。ウェッジ選びの楽しみは尽きないようだ。