ゴルフ場が新型コロナウイルスの感染対策として導入を進める昼休憩なしのスループレー。果たしてこの方式はコロナ終息後にも定着するのか? 4月14日からスループレー方式を導入したという栃木県さくら市のゴルフ場・セブンハンドレッドクラブが行なったアンケートから、ゴルフ場の未来を予想した。

4月14日からワンウェイスループレー方式を導入しているセブンハンドレッドクラブ。利用者からは3密を避けて安心してプレーできると好評で、利用者の口コミ効果もあってかゴールデンウィーク期間だけで計1087名が来場したという。

とはいえ、広大な敷地でプレーするゴルフでは、同組のプレーヤー以外の人と人の距離が近づくことはほとんどない。もちろん一歩でも外に出ればリスクがゼロとは言えない日々が続くが、少なくとも“密”にはほとんど当たらないだろう。

ゴルフ場側から見ると、スループレーにはメリットとデメリットがある。3密を避けられるというのが今の状況下では最大のメリットだが、それに伴い少ない人数で運営できる、光熱費・食材費などの経費が削減できるといったメリットが付随する。

ただ、当然昼食費のぶんだけ売り上げは下がるし、よりゴルフへの熱中度の高いゴルファーの利用が増えるため、天候によって来場人数が左右されるという。また、運営に携わる人数を減らしたことで付加価値のあるサービスができにくくなるというデメリットもある。

では、当のプレーしたゴルファーたちはどういう印象をもったのだろうか? 同コースが新型コロナウイルスが終息したあともスループレーを希望するかというアンケートを実施したところ、なんと72.7%のゴルファーが「希望する」と答え、17%のゴルファーは「スループレーと通常営業、両方利用したい」という声があったようだ。希望しないという人は、たったの1割ということになる。

こうなると気になるのが“アフターコロナ”を見据えたときに、今後スループレーが定着するのかという点だ。同ゴルフ場の相ヶ瀬圭司支配人は「アンケート結果から、当クラブで行なっているプレースタイルにほとんどのお客様が共感していただけることがわかった」としつつ、アフターコロナにおける営業形態について、こう語る。

画像: セブンハンドレッドクラブでは、4月末に3密を避けるためのテラススペースをオープンしたという(写真提供/セブンハンドレッドクラブ)

セブンハンドレッドクラブでは、4月末に3密を避けるためのテラススペースをオープンしたという(写真提供/セブンハンドレッドクラブ)

「レストランの利用を求める声も多くあり、コロナ後はハーフの後に食事を挟む営業に戻すことがベストですが、世の中の状況を慎重に見極め、スループレーと昼食利用のニーズ、どちらにも応えられる営業形態を確立していく必要があると考えています。コロナが終息してもお客様の危機感が終息するとは思えませんので、コロナ終息後も3密を避けた屋外での食事提供も見据え、テラス席を広くとったバーベキュースペースなどを4月末にオープンするなど、対応を進めています」

もちろん、スループレーの組と、昼休憩を挟む組みが混在すると、それだけゴルフ場側のオペレーションは複雑になるに違いない。しかし、今回のコロナ禍で、図らずもスループレーの良さを多くのゴルファーが味わったのも事実。どちらのプレースタイルでも選べるというのが、ゴルファーにとってはもっともメリットが大きいのは間違いないだろう。

まだまだ終息に向けての出口が見えない状況ではあるが、いつの日か安心して外に出かけられるようになったとき、日本のゴルフ場にはどんな変化が起きているのか、注目だ。

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