プロのパッティングのスタイルはひとそれぞれ。ダウンブロー、レベル、アッパーそれぞれの軌道で打つタイプのプレーヤーが存在しています。それは育ったコースの芝質であったり、ヘッドの形状であったり、"いい転がり"に対するイメージによって作られるもの。ですからどの軌道が正解というものではなく、その入射角や打点が一定していることが重要です。
そのために、まずは自分の入射角は果たしてアッパーなのか、レベルなのか、はたまたダウンブローなのかを知ることが重要です。同時に、フェース上下の打点にも注目してみると、より安定したパッティングが可能になります。難しく感じるかもしれませんが、スマホを使って手軽に計測できますので実際にやってみましょう。
写真Aのように、スマホを正面に置きスウィング分析アプリを使って動画撮影します。スマホの動画撮影機能やスローモーション撮影だとヘッドがブレてしまうのでアプリを使ったほうがキレイに撮れます。今回私が使用したアプリは「スイングチェックbyじゃらんゴルフ」というもの。
セルフタイマー機能もあるので一人でも撮影可能です。撮影した動画をチェックしてコマ送りやスローで再生するとヘッドの軌道や上下の打点が明確にわかるはずです。
同じ距離を同じボールの位置で5球打って比較してみると、フェース上下の打点の位置やインパクト時のシャフトの傾きなどから、自分のストロークのクセが見えてきます。入射角が一定している、打点も一定しているのであればストロークに大きな問題はありません。しかし、入射角や上下の打点が安定しないなど自分なりのクセが見えてきた場合は整える必要があります。
パットの軌道と打点位置を安定させるには? レベルブローの場合
スマホの動画を見てインパクト前後のヘッドの高さを確認してみましょう。平均してインパクト前後での高さの変化がなければ入射角はゼロに近いレベルなストロークをしてるということ。その場合は画像Bのように、2本の割りばしをボールの両側にターゲット方向と平行に置いて、ヘッドが動く高さを一定にして練習してみましょう。この割りばしに沿わせるようにストロークすることで上下の打点と入射角が一定し安定した転がりが実現できるというわけです。
画像では割りばしを重ねて高くしています。なぜかというとボールの赤道付近の高さはおよそ21ミリ、パターのセンターが下から12ミリの位置とすると、8ミリ浮かせて打つことでフェース上下のセンターで赤道付近をヒットできるからです。割りばし1本の高さが約4ミリ程度なので、自分の打点に合わせて高さを調整すると、いい練習になります。
アッパーブロー/ダウンブローの人も軌道に沿った練習しよう
インパクト前よりもインパクト後にヘッドが上がっているのであれば入射角はアッパー軌道でストロークしています。その場合は画像Cのように片方だけを重ねて高さを変化させ、割りばしに沿うようにストロークすることで安定したアッパー軌道の感覚が身につきます。逆にインパクト後にヘッドが低くなるダウンブローのタイプは、割りばしの向きを入れ替えて試してみてください。
一定の入射角、一定の打点で打つことでが安定した転がりにつながります。そうすることでタッチが合うようになり3パットの回数も減りますし、入るパットも増えることでしょう。試してみてはいかがでしょうか。
もっと詳しくパットのことを知りたいなら
スマホのアプリでも基本的なことはわかりますが、もっと本格的に自分のパットを分析したい! という人には、計測器「ホール・モア・パット」をおすすめします。フェースアングル(フェースの向き)、インパクトポイント(打点)、クラブパス(軌道)、インパクトスピード、アタックアングルというパッティングにおける重要な5つのスタッツが計測できるので、自分のストロークが一目瞭然。
15万8000円+税と値段が高いのが難点ですが、本格的にパッティングに取り組みたい! という人は、ぜひ試してもらいたいですね。