きっかけは2016年のライダーカップだった
5月11日アメリカのトーク番組ダン・パトリックショーに出演したミケルソンは来る24日にタイガーとNFLのレジェンドを交えてフロリダで行われる「ザ・マッチ:チャンピオンズ・フォー・チャリティ」をはじめさまざまな話題について歯に衣着せぬ発言を行った。
今回のチャリティマッチは一昨年、ミケルソンとタイガーが一騎打ちを行った『ザ・マッチ』の第2弾。もし10年前にこの企画が持ち上がったら双方とも首を縦に振らなかったに違いない。
というのもかつて2人は犬猿の仲だったから。
タイガーが左ヒザの怪我をおしてメジャー14勝目を挙げた2008年の全米オープンでは予選ラウンドで2人が同組を回ったのだがピリピリしたムード。一緒だったアダム・スコットに同情の声が上がったもの。
タイガーはスコットとしか喋らず、ミケルソンも然り。間に挟まった人の好いスコットは気の毒に見えた。
しかし仲が悪そうに見えてもミケルソンはずっと以前から「タイガーを尊敬していた」という。
まだミケルソンが学生だった1991年、ノーザンテレコムオープンにアマチュア優勝しているが、そのときの賞金総額が100万ドル(約1億円)で優勝賞金は1800万円に過ぎなかった。いまの日本ツアーに近いイメージだ。
「あのころは他のスポーツ選手たちがすごい契約金を貰っていた。ゴルフで優勝賞金100万ドル(1億円)になる日は来るのだろうか? と気が遠くなったよ。でもタイガーの登場ですべてが一変した。ゴルフが全国紙の一面を飾り賞金もうなぎ上り。あっという間に勝てば100万ドルの時代がやってきた。彼のおかげだよ。誰もが恩恵を受けたけれどコース内外で一番(恩恵を)受けたのは自分だったと思う。彼にはずっと恩義を感じていた」
だがゴルフ界のツートップゆえに腹を割って話すことも、ミケルソンが自分の思いを相手に伝える機会もなかった。
その関係が変わったのは2016年のライダーカップ。「タイガーが副キャプテンをしていて大会前から電話で作戦やコース攻略について細かい打ち合わせを何度も行った。彼の選手に対する配慮や勝負に対する緻密な計算には正直感服した。そこでさらに尊敬の念が強まった。ここが我々の関係のターニングポイントだったと思う」
2016年のライダーカップで米チームは08年以来の勝利でカップ奪還に成功している。
さまざまな修羅場をともにくぐり抜けてきた2人の絆は強い。コロナ禍で行われる『ザ・マッチ』はツアー再開に向けた露払いとして彼らにしかできない重要なやイベントになる。