なぜヘッドカバーは必要?
ヘッドカバーはクラブヘッドに被せて保護するためのアイテム。主にドライバー、フェアウェイウッド、ユーティリティなどのウッド類やパターにヘッドカバーを装着する。各メーカーから市販されているほか、クラブを購入する際に付属されていることも多い。
大抵は筒状で、ヘッドを覆ってネック部まで保護できる形状をしている。ヘッドを覆ってもどのクラブなのかが分かりやすいよう、ヘッドカバー自体に番手を表す数字やアルファベットがデザインされていることが多い。
大型マレットパターなどヘッドサイズが大きいパターのカバーの場合は、ヘッドのみを保護するような形状の場合もある。クラブに付属されていることはまれだが、アイアン用のヘッドカバーも市販されている。
ヘッドカバーをつける理由は先に述べた通り、クラブヘッドが傷つかないようにするためだ。主にゴルフ場から家までの道中やラウンドの最中、キャディバッグに入れたクラブは完全に固定されているわけではないため、ある程度動いてしまう。そのときにクラブ同士がぶつかることで傷ができてしまう可能性があるのだ。
もちろん多少の傷が付いたところでクラブ自体の性能が変化する、なんてことはまず起こらない。そのためプレー中の着脱する手間からヘッドカバーを使用しないゴルファーもいる。
しかしながら、基本的にはヘッドカバーを使用することを推奨する。なぜなら、性能が変わらずとも傷が付くことによって見た目の印象が変わってしまう可能性があるからだ。とくにウッドクラブのクラウン部が傷つくと塗装が剥がれ、アドレスした際にノイズとなる可能性がある。
また、パターはその他のクラブよりフェース面が柔らかいため、傷が付きやすい。ラウンドの最中、同伴者のものと一緒にまとめておく場合もあるため、自分のクラブを傷から守る、そして同伴者のクラブを傷つけないためにヘッドカバーは付けた方が良いだろう。
ヘッドカバーの考案者は日本人だった!?
現在は一般的となったヘッドカバーだが、実はその考案者は日本人であることをご存知だろうか。
名は高畑誠一。1912年当時、商社マンだった高畑氏はイギリス・ロンドンにある支店の勤務となり、そこでゴルフを始めた。
ロンドンで職人に特注したクラブの出来栄えの素晴らしさに感動した高畑氏は、クラブに傷を付けたくないと考え、知人の妹に毛糸のヘッドカバーを編んでもらった。これがゴルフ仲間の間で話題となり、ヘッドカバーというアイテムが徐々に浸透していったというわけだ。
ちなみに高畑氏はハンディ6の腕前を持ち、帰国後は関西アマで2度優勝。関西ゴルフユニオン(後の関西ゴルフ連盟)の設立にも関与し、廣野ゴルフ倶楽部や愛媛ゴルフ倶楽部などゴルフコースの設立にも貢献。JGAの理事を16年務め、ゴルフ競技規則の翻訳を行うなど、日本のゴルフ界に多大な影響を与えた人物の一人だ。
デザイン性を重視してヘッドカバーを選ぶゴルファーも
ヘッドカバーはクラブを傷から守るという本来の用途に留まらない、ファッション性の高いアイテムでもあり、デザイン性の高いヘッドカバーも発売されている。
素材についてもニットで編んだものからレザー、ビニール素材を用いたもの、ナイロン地、ボア素材を用いてぬいぐるみのように仕上げたものなど多岐に渡る。
統一感のある見栄えにするために同じメーカーのヘッドカバーで統一したり、単純に見た目がかわいいという理由からぬいぐるみ型ヘッドカバーを採用している女子プロも多い。
クラブを購入した際に付属するヘッドカバーは、レザーやビニール素材で作られたものが多い。ヘッド部にレザー/ビニール素材を採用し、ネックやシャフトを覆う部分はニット素材と、複数素材を組み合わせたデザインのヘッドカバーもある。
クラブにヘッドカバーが付属されるのが一般的でなかった時代からよく使用されていたのが、ニットタイプ。合成繊維を機械編みした安価なものから、ウール100%で手編みした高価なもの、先端部にポンポンがついているタイプなど、バリエーションも様々ある。
ヘッドを覆う部分がぬいぐるみのようになっているタイプの中には、有名なキャラクターとコラボしているものも数多くある。「ワンピース」といった比較新しめのものから、「天才バカボン」といった昔懐かしいキャラクターまで様々あるので、お気に入りのキャラクターがいるのなら「キャラクター名 ヘッドカバー」と検索してみると良いだろう。
もちろん付属のヘッドカバーを使用しても良いが、見た目に気を使ってキャディバッグをおしゃれに飾るのもまた一興。これを機に、ヘッドカバーにこだわってみてはいかがだろうか。