先週再始動した韓国女子ツアーに続き、新型コロナウイルスの感染拡大の影響でスケジュールが凍結されていたPGAツアーが動き出した。テーラーメイド主催のチャリティイベント「TaylorMade Driving Relief 」が5月17日に開催。ライブスポーツイベントとして大きな注目を集めたその試合は、ソーシャルディスタンスが意識されたものだった。その印象は……?

テーラーメイド契約プロがチャリティマッチで躍動

イベントに登場したのは世界ランク現&元ナンバー1コンビ、ローリー・マキロイ&ダスティン・ジョンソンとオクラホマ州立大学の先輩後輩コンビ、リッキー・ファウラー&マシュー・ウルフの豪華な顔ぶれ。4名が2チームに分かれ各ホールに懸けられた賞金を奪い合うスキンズゲーム方式で戦った。

画像: 写真左からリッキー・ファウラー&マシューウルフ、ロリー・マキロイ&ダスティン・ジョンソンがチャリティーイベントに参加した

写真左からリッキー・ファウラー&マシューウルフ、ロリー・マキロイ&ダスティン・ジョンソンがチャリティーイベントに参加した

舞台は米フロリダの超名門セミノールGC。ドナルド・ロス設計で91年前に開場し、かのベン・
ホーガンが愛したコースとして知られている。

結果は最終ホールで世界ナンバー1コンビがファウラー&ウルフコンビを大逆転して勝利。獲得した賞金はすべて新型コロナウイルス救済基金に回され、視聴者が行ったチャリティと併せ総額550万ドル(約6億円)の寄付が集まった。

コロナ禍が収束しないなかでのイベントは異例ずくめ。選手たちは短パンのラフなスタイルで自らキャディバッグを担いで回り、その姿はまるで高校生のよう。

ゲストで中継にリモート出演したゴーストバスターズなどで知られるコメディ俳優ビル・マレーは「
いつもと違ってなんかすごく人間っぽいね」。中継スタッフ以外誰もいないコースでプレーする4人のプレーはもちろん超一流なのだが、遠目にはアマチュアが休日にゴルフを楽しんでいるのとあまり変わりなかった。

ナイスショットしてもハイタッチはなし。ソーシャルディスタンスを意識した立ち位置で会話も最小限。マキロイとジョンソンが5メートル近く離れて勝利インタビューを受けているシーンを観てふと思った。

個人競技の代表のようなゴルフだが実はコロナ以前の日常では人と人のつながりが密な“チームスポーツ”だったのだと。お互い相手のナイスプレーをハイタッチや握手で讃えパートナーたちと会話を弾ませ笑い合う。

それがプロの試合なら大勢のギャラリーが見守り選手たちのプレーに一喜一憂。タイガー・ウッズが2年前に復活優勝を遂げたときなど興奮した人々がフェアウェイになだれ込み開場全体が大きな一体感に包まれた。

それが当たり前だったころ我々は“ワンチーム”でゴルフ界を盛り上げていたのだ。そんな日常が1日も早く戻ることを祈りたい。

※一部訂正致しました(2020.05.18 13:17)

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