重量とフレックス選びはスチールと同じではない
男子プロでもアイアンをカーボンシャフトにするケースが出てくるなど、注目を集めるアイアン用カーボンシャフト。試してみたい、と思うゴルファーも少なくないだろう。
しかし、スチールからカーボンにアイアン用シャフトをリシャフトする際には、注意すべき点がある、と栃木県佐野市のゴルフ工房「アフターゴルフ」のクラフトマン・佐藤順さんは言う。
「まず重量ですが、同じ重量で揃えた場合、スチールシャフトと比べるとカーボンシャフトは重く感じられます。ですから、仮に軽くするのであれば20グラム程度は重量を下げることが一つの目安になります。また、フレックスもシャフトの性格によって感じ方が変わります。弾きが強いモデルは硬く感じるので、テンポが速くなったりする場合もあるんです」(佐藤)
同じ重量であっても、スチールと比べるとカーボンシャフトのほうが振ったときに重く、硬く感じるため、たとえば同じ重量のスチールからカーボンにリシャフトすると、同重量なのに振り心地を重く感じてしまう。その差を埋めるには、20グラムくらい軽くすることが必要だということだ。
だからといって軽くしすぎてもその上の番手であるユーティリティやフェアウェイウッドとのバランスや重量が逆転する可能性もある。
同じフレックスでもカーボンのほうが硬く感じるというのもカーボンシャフトの特徴だ。単純にフレックスを下げるのも手だが、SをSRやRにするのは抵抗があるという人もいるだろう。ここはクラフトマンの腕の見せ所だ。
「フレックスについては、番手ずらしという手法である程度カスタマイズすることができます。たとえば、8番アイアン用のシャフトを9番に1番手ずらして装着するとフレックスは少し柔らかくなります。2番手ずらしや3番手ずらしができるシャフトもありますので、カーボンにリシャフトして硬く感じられてしまって合わなかったという人は試してもらいたいですね」(佐藤)
カーボンシャフトに換えることで、打ち出し角を上げやすい、ボール初速を上げやすいといったメリットが得られる可能性は高い。
女子プロはもちろん、ヘッドスピードの速い男子プロでも見かけるカーボンシャフト。以上のような気をつけるべき点を認識した上で、一度試してみるのも面白そうだ。