シャフトの調子(キックポイント)ってなに?
シャフトのスペックを見てみると、「先調子」や「キックポイント:ロー」などと表現される項目がある。これはシャフトのもっとも軟らかい部分=しなる部分がどこであるかを表している。たとえば「先調子」と表記されていたら、シャフトのもっとも先端部分、ヘッド側がしなりやすいシャフトということになる。
このキックポイントがどこにあるかによってスウィング中のヘッドの挙動が変化し、タメの作りやすさや球のつかまりやすさなど性能面やスウィングのタイミングの取り方に影響を及ぼす。そのためシャフト選びの際は自分に合ったキックポイントを持つシャフトを選ぶ必要がある。
シャフトの調子は大きく分けて3種類
シャフトの調子(キックポイント)は大きく分けて3種類。「先調子(ロー)」、「中調子(ミドル)」、そして「元調子(ハイ)」だ。
先調子のシャフトの特徴
先調子は、シャフトの先端側にキックポイントが設定されている。しなるポイントがヘッドに近いため、ヘッドが走りやすい。それによって飛距離性能が高まるほか、つかまりの度合いも大きくなる。
また、しなり戻りによってフェースが上を向いた状態でインパクトしやすい。そのため打ち出し角が高い弾道になりやすい傾向にある。
先調子がオススメのゴルファー
飛距離性能を限界まで高めたい、ボールをつかまえたい、打ち出し角を高くしたいというゴルファーには先調子がオススメ。一方でヘッドが走りやすいというメリットは、裏返せば左にいきやすいということにもなる。繊細なヘッドのコントロールはしづらく、パワーのあるゴルファーほどその度合いは強くなるため注意しよう。
元調子のシャフトの特徴
元調子は、キックポイントがシャフトの手元側に設定されている。切り返しで手元側がしなることで“タメ”が作りやすいというわけだ。
また、ヘッドがしなりの影響を比較的受けづらい=ボールがつかまり過ぎない。そのためヘッドのフェース面がしなり戻りによって上を向く前にインパクトしやすく、打ち出し角が低くくなりやすい傾向にある。
元調子がオススメのゴルファー
ボールを叩いて飛ばすパワーのあるゴルファーには元調子がオススメだ。シャフトが勝手にタメを作ってくれるので、ボールに伝わるエネルギーもより増すだろう。
一方で、シャフトの性能に対してヘッドスピードが足りていない場合は、ボールを上げづらさが目立ってしまうかもしれない。
中調子のシャフトの特徴
中調子は、キックポイントがシャフトのちょうど中央付近に設定されているシャフト。先調子と元調子の中間的な性能を持っていて、シャフトの全体がバランス良くしなってくれるため、タメも先調子より作りやすく、ヘッドも元調子と比べてある程度走ってくれる。
中調子がオススメのゴルファー
中調子は安定感があり、万人にオススメしやすいシャフトと言える。その代わりに突出した性能が作りづらいので、癖がないのがメリットかつデメリットと言えるだろう。先調子、元調子に使いづらさを感じたり、シャフトがスウィングに影響を与えすぎるのを嫌うゴルファーは中調子を選ぶといいだろう。
先中調子、中元調子、ダブルキック
上記3つが主なキックポイントの区分だが、シャフト製造技術の進化によってキックポイントのバリエーションも増えている。
先中調子は、先端側よりやや中央寄りにキックポイントを設定して先調子と中調子の中間的性能を持ったシャフト。中元調子はその逆で、手元側よりやや中央寄りにキックポイントがあり、中調子と元調子の中間的性能を持つシャフトだ。
さらには、先端部と手元側の2か所にキックポイントを持ち、両者のメリットを良いとこ取りした「ダブルキック」といったシャフトもある。
シャフトの調子はどう選ぶべき?
では、自分に合っている調子のシャフトを選ぶにはどうすればいいのか。「直感的にどの調子が自分に合っているか」を判断する方法があると、プロゴルファー・中村修は言う。
「シャフトを替えるときは、一発目からナイスショットするシャフトを選ぶことをオススメします。何回も打ち続けてしまうと、無意識のうちにアジャストして打ってしまいますから、最悪の場合スウィングが崩れてしまう危険もあるからです」(中村)
ゴルファーによって使用するボール、クラブヘッドも違うし、使用するヘッドやボールとの相性で打ち出し角やスピン量なども変わってくる。上記の先調子、中調子、元調子といった特徴も、あくまでも「目安」と考えたほうがいい。
あまり「自分は先調子しか合わない」などと決めつけすぎず、まずは試打してみるのが手っ取り早いだろう。
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