新型コロナウィルスの影響でステイホームの機運が高まっていることに合わせて、ツアープロたちがSNSなどでレッスン動画などを投稿するのがブームとなっている。トッププロの一人、リッキー・ファウラーがSNSなどで語った「パッティングの哲学」を、在米ゴルフジャーナリストのアンディ和田がご紹介。

リッキーが語るパットの哲学

もし、PGAツアーでファンを惹きつけるカリスマ性を持った選手は誰? という質問をしたのなら上位にリッキー・ファウラーの名前が挙がることでしょう。PGAツアーのツアー選手のインスタグラムフォロワー数ランクではタイガー・ウッズ(220万人)、ロリー・マキロイ(200万人)に次ぐ3番目がリッキー(180.7万人)なんです。

画像: PGAツアーのトップ選手の一人、リッキー・ファウラー。インスタグラムでは自らレッスンの動画を投稿している(写真提供/アンディ和田)

PGAツアーのトップ選手の一人、リッキー・ファウラー。インスタグラムでは自らレッスンの動画を投稿している(写真提供/アンディ和田)

そんなインスタグラム上の投稿ではリッキー自らパッティングレッスンを披露したり、ポッドキャストではパッティングについて言及していたりするんです。その内容を一部ご紹介したいと思います。

「私自身パッティングは得意だと思っています」(リッキー)

そうリッキーは言います。参考までに2019年のスタッツを参照してみると、リッキーの平均パット数は1.726でPGAツアー選手中12位、3パットをしたのは1368ホール中25回(1.83%)で11位と、結果にも表れていますね。

画像: リッキーの使用パター、スコッティキャメロン ニューポート2プロト(写真提供/アンディ和田)

リッキーの使用パター、スコッティキャメロン ニューポート2プロト(写真提供/アンディ和田)

「(パットが得意な)理由はいくつかありますが、まず自分のスタイルを貫く信念があるからでしょう。パッティングはゴルフの中で一番やさしいと感じます。理由はストロークは小さく、短い動きです。強く打つ必要もありません。フルスウィングをしません。傷んだ状態のグリーンだと厳しいかもしれませんが、動きはシンプルです。足から感じ取れる傾斜、目を通して得られる情報を加えて頭で処理する。狙ったラインに打ち出すことをするだけですからゴルフの中では一番単純、シンプルだと思います」(リッキー)

リッキーがパターヘッドを浮かせて構える理由

「私は高校時代から南カリフォルニアにあるスコッティ・キャメロンスタジオに通い、キャメロン氏やスタッフにパッティングの研究を手伝ってもらっていました。ビデオカメラでパターやボールの転がりを確認したり、他の選手のストロークも参考にしました」(リッキー)

そんな研究の中で、アドレス時にパターヘッドを浮かせて構える、現在のパッティングスタイルを見つけ出したのだと言います。

画像: リッキーはパターのソールを地面に付けずに構えてストロークする(画像はリッキー・ファウラーのインスタグラム投稿をキャプチャしたもの)

リッキーはパターのソールを地面に付けずに構えてストロークする(画像はリッキー・ファウラーのインスタグラム投稿をキャプチャしたもの)

「地面につけてから始動すると、毎回同じように完璧に真っすぐ引くことがとても難しいことに気がつきました。私の癖は少し外側に引いてしまう動きでした。ほんの僅かですがパターヘッドを浮かせてからテークバックすると綺麗に引けるので、それだったらこれを取り入れようと決めていつもするようにしました」(リッキー)

パットで大事なのは目線とボール位置の関係

さらに、パットで大事なのは「目線とボール位置の関係」だとリッキーは言います。

「パッティング用の練習機具となる鏡を使い肩のライン、頭と目線の位置を確認する作業はパッティングの安定感を保つ為に重要なこと。目線はパット直後にボールを追わずに、ボールの後ろのスポットを見続けることで自然なパターリリースができます」(リッキー)

とくに鏡を使ったアドレスのチェックは、トーナメントのプレー前にも行っているのだそうです。

「試合会場ではまず練習場ではなくパッティンググリーンに行って、鏡を使って10球から20球ほどアドレスのポジションを確認します。その後ボールを打ちに行き、最後の仕上げとしてグリーンのスピードの確認、しっかり対応できているかをチェックします。スピードがずれていたら読みや狙いなどすべてがダメになってしまいますからね」(リッキー)

ほかにもストロークの練習ドリルとしてリッキーが紹介していたのは、ボールの下にボールマーカーやコインを置いたままストロークする練習。「ボールを打ち終えた後もマーカー/コインを見続けるのは有効」だそうです。

「私自身の注意点を挙げるとすればストローク中に頭が若干ですが後ろ(ターゲットライン後方)にずれることですね」

ライン読み、実はプラムボブではない

自身のグリーン上でのラインの読み方もリッキーは紹介しています。トーナメントでのプレーを見ると、パターを顔の前に吊り下げる「プラムボブ」でラインを読んでいるように見えますが、本人曰く「自分で考えだした方法」なんだそうです。

画像: リッキーのラインの読み方はプラムボブにも見えるが、実は自身で編み出した独自のものなのだという(写真は2019年のマスターズ 撮影/姉崎正)

リッキーのラインの読み方はプラムボブにも見えるが、実は自身で編み出した独自のものなのだという(写真は2019年のマスターズ 撮影/姉崎正)

「私はパターを使ってシャフトを傾けてラインを読む動作をしますが、あれは往年の選手が実践していた『プラムボブ』ではないんです。自分で考え出した方法なんですが、カップのどこからボールを入れるか? そして曲がるラインだと弧の一番曲がる外側の点を確認しているのです。ボールがカップに入る所からボールまで逆に巻き戻すような転がりのイメージをしているんですよ」

チャリティマッチではプロトタイプのアイアンを投入

さて、リッキーと言えば、ツアープロ4人によるチャリティースキンズマッチ「テーラーメイド・ドライビングリリーフ」にも参戦しましたよね。

結果はロリー・マキロイとダスティン・ジョンソン組が、エキストラホールのパー3でリッキー・ファウラー、マシュー・ウルフ組を下して勝利しました。スキンズマッチでは4人で合計16バーディが奪取されましたが、中でも一番鋭いプレーを展開していたのはバーディ7個を記録したリッキー・ファウラーでした(ほか3選手のバーディ数はマキロイ4、ウルフ3、ジョンソン2)。

チャリティーマッチではまだ市販されていないプロトタイプのマッスルバックを披露していたリッキー。トップラインが薄く、小振り、オフセットはほとんどなく、銅色仕上げのアイアンです。

メーカー名「COBRA」に加えて自らのイニシャル「RF」と、33回の改良を重ねて完成したという意味の「rev33」の刻印がされています。

画像: リッキーがチャリティマッチに投入した銅色仕上げのプロトタイプアイアン(画像はコブラゴルフのインスタグラム投稿をキャプチャしたもの)

リッキーがチャリティマッチに投入した銅色仕上げのプロトタイプアイアン(画像はコブラゴルフのインスタグラム投稿をキャプチャしたもの)

来月から再開予定されているPGAツアー、最初の3試合はコロニアル、ハーバータウン、そしてTPCリバーハイランズ。3会場は飛ばし屋よりも技巧派向きの戦略性高いコースなのでリッキー・ファウラーのプレーに注目、活躍に期待しましょう。

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