2020年シーズンと2021年シーズンを合わせ、2020-21シーズンとして実施することを発表した女子ツアー。参加資格は2019年シーズンに得た資格となり、翌シーズン途中の成績に合わせて“リシャッフル”を行うとしている。この大胆な方針に対し、“現場の声”はどうか。ツアープロコーチで多くの女子プロを指導する井上透に聞いた。

女子ツアー2020-2021シーズンは長丁場だからこそ実力がないとシードに届かない

数ある選択肢の中から全方向に配慮した決断だと評価できます。2020年シーズンの多くの試合が中止となったことで、出場権を持っている試合の多くに出場できなかった外国人選手を含む現状のシード選手に対しての配慮がされていますし、2019年のQT(予選会)上位の選手も、せっかく上位で得た出場資格を失わずに住みます。

プロテストが開催されるとは明言されていませんが、ツアーが開催されるのであれば、テストも開催されるでしょう。2021年シーズンが2020-2021シーズンとなり、2019年の出場資格によって出場優先順位が決まることで今季のQTは開催されなくなりましたが、プロテスト合格者は(下部ツアーの)ステップ・アップ・ツアーに出場できますから、門戸を閉ざしてもいません。

また、2020年の出場資格を持たない選手に大会出場と収入を得るチャンスを与えるため、スポンサーに出場枠の増加をお願いするとも言います。

画像: 昨シーズンの主役といえる渋野日向子は平均ストローク4位。2020-21シーズンで賞金女王になるのは果たして誰か!?(2019年の日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯 撮影/岡沢裕行)

昨シーズンの主役といえる渋野日向子は平均ストローク4位。2020-21シーズンで賞金女王になるのは果たして誰か!?(2019年の日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯 撮影/岡沢裕行)

次にQTの順位を持つ選手に対しても試合の場を提供するということ。その考え方は適切だと思います。108名で開催しているのが120名に増えると、午前、午後のスタートに分かれることになり、運営にかかる経費が増えることになりますから、スポンサーに理解を得る必要がありますが、120名になれば出場できるQTランクも下がるので、選手にとってはチャンスが広がります。

ただ、108名の出場権に対して50名というシード権のバランスは、120名出場となると多少のゆがみが出る可能性はあると思います。それでも、最大限選手に配慮をした内容だと思います。今年プロテストを受ける組にとっては、年末のQTがないことで影響があると言えますが……。

いずれにせよ、実質1.5シーズンでシード権を決めることになるとかなりのロングランになり、賞金シードの獲得ラインが3300万とか3500万になる可能性があります。3500万円稼ぐのはかなり大変です。

また、シーズンが長くなればなるほど平均ストロークと順位が連動しやすくなるので、マグレがない、平均ストロークの順番に賞金ランキングが並びやすくなるということになると思います。誰が平均的に上手いのかということを争う、実力のある上位50名がシードを獲得するシーズンになります。それを覚悟して戦う必要があるのではないでしょうか。(談)

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