アイアンセットはピッチングウェッジまで。その下の番手は1本ずつの単品ウェッジで揃えるというのはいまや一般的。では、そのウェッジはどう選べばいいのか? いろいろな答えが想像できるが、もっとも大切なことはなにか、ギアライター・高梨祥明が考えた。

ウェッジ選びで最も大切なのは、ロフト? それともバウンス?

皆さんはウェッジ選びのポイントをどこに置いているだろうか?

・ロフト角のコンビネーション(ピッチ)
・バウンス角の大きさ
・ソールの形状(グラインド)

そんな答えが多いかもしれない。タイトリスト ボーケイウェッジのフィッター、三瓶大輔さんはそうした要素も非常に大切、としながらもっと大切なことがあると語る。

「ウェッジクラブのロフトやバウンスなどの選び方については、ある程度フィッターのような第三者でも的確なアドバイスが可能なのですが、フィーリング面についてはゴルファーの皆さんそれぞれにジャッジしてもらう必要があります。簡単にいえば、このウェッジが使いやすい! 振りやすい! と感じるかどうか。ウェッジ選びで最も大切なのはそこなのです」(三瓶)

画像: 軽量アイアンの需要が高い日本市場の現状を踏まえ、グローバルモデルよりもヘッド重量を軽くし、クラブセットとしての振りやすさのつながりを考慮した「ボーケイ フォージド」(左)

軽量アイアンの需要が高い日本市場の現状を踏まえ、グローバルモデルよりもヘッド重量を軽くし、クラブセットとしての振りやすさのつながりを考慮した「ボーケイ フォージド」(左)

では、扱いやすさ、振りやすさを決める要素はどこにあるのだろう。三瓶さんの話をまとめると以下の点になる。

・ウェッジの総重量
・長さ
・シャフトの硬さ

ロフト、バウンス、グラインドの前に、これらの要素をチェックする必要があるということである。

「たとえば超軽量カーボンシャフトのアイアンセットを使っているゴルファーが、いきなり100グラム超のスチールシャフトのウェッジを握っても“振りやすい!”“扱いやすい!”とはならないと思います。実際にウェッジフィッティングを受けられた方の中には、アイアンとウェッジのシャフト重量差が約60gもあった方がいらっしゃいました。ウェッジはフルショットしないから重たくてもいいんだ、という意見もあると思いますが、あまりにも他のクラブとの振り心地が違ってしまうのは“ゴルフプレーのつながり”という点では問題があります。アイアンとウェッジのシャフト重量は同程度か重たくしても20g以内だと思います」(三瓶)

こうした大きすぎるアイアンとウェッジの重量ギャップは、アイアンを新調した時に自然に発生していることが多い。アイアンをストロングロフトのカーボンシャフトアイアンに買い替え、ウェッジはずっと使っているスチールシャフトモデルのまま。実はそれだけで30〜40gの重量ギャップが簡単に生まれてしまうのだ。

ウェッジが重たすぎるのか、アイアンが軽すぎるのか? 重量ギャップの正体をじっくり見極めることが重要

ちなみに日本で最も売れているアイアンシリーズのシャフト重量は、6番アイアンで51〜46g(硬さにより異なる)。ウェッジを定番のN.S.950GHスチールにするとやはり50g近い重量ギャップになってしまうのだ。となると、ウェッジもZELOS6などの超軽量スチールに変えた方がよくなりそうな気がするが……。

「ここで重要視しているのはあくまでも振りやすさ、使いやすさのギャップを無くすことで、シャフト重量を合わせることではありません。軽量シャフトモデルはヘッド重量も軽いケースが多く、シャフトの長さや硬さについてもモデルによって大きな差があるのです。重たいスチールシャフト用のヘッドに超軽量スチールシャフトを挿れてもアイアンのような軽快感は出ないのです」(三瓶)

タイトリストでは日本専用シリーズである「ボーケイデザイン フォージドウェッジ」のヘッド重量をグローバルモデルの「SMシリーズ」よりも軽くすることで、軽量シャフト装着アイアンとのマッチングをとりやすくしているという。

「軽くしているといっても、軽量スチールシャフトのアイアンとのマッチングがとりやすいレベルです。それでもクラブ全体の振りやすさが変わるため、フォージドウェッジにしたら振りやすくなった! 飛距離がちゃんと出るようになった! という人は多いのです。50g前後の超軽量カーボンアイアンとのマッチングを相談された場合は、単品ウェッジではなくそのアイアンセットの別売ウェッジをオススメすることも多いですね」(三瓶)

ウェッジのシャフトについては、ボーケイデザインウェッジのボブ・ボーケイもこんなふうに言っている。

・シャフトはアイアンセットと同じものを推奨
・長さのフローはアイアンに準じる
・硬度はアイアン同等か1フレックス軟らかくても可(アイアンが重量スチールの場合)

画像: 三瓶氏が全国で行っているタイトリストのウェッジフィッティングイベントでは、専用の脱着式ウェッジで様々なシャフトに交換しながら振りやすさの違いを見極めることができる

三瓶氏が全国で行っているタイトリストのウェッジフィッティングイベントでは、専用の脱着式ウェッジで様々なシャフトに交換しながら振りやすさの違いを見極めることができる

さて、ここでご自分のキャディバッグの中身を改めて眺めていただきたい。アイアンとウェッジの振りやすさ、扱いやすさを決める重量の統一性が図られているだろうか? アイアンとの重量ギャップがあり過ぎ、本来ならウェッジをもっと軽くしなければならない!と感じるゴルファーも多いと思う。しかし、ここはひとつじっくりと考えていただきたい。

お使いのアイアンが“軽すぎる”。その可能性はないだろうか?

最新アイアンの大きな飛距離性能に魅せられて、軽量カーボンシャフトモデルに乗り換えるゴルファーも増えている。しかし、そのアイアンセットの別売ウェッジを使っている人がどれほどいるだろうか?

「ウェッジフィッティングをしていると100g前後の軽量スチールシャフトのモデルを振りやすい!扱いやすい!と選ばれるゴルファーが非常に多いですね。そして、そういうゴルファーでもアイアンは超軽量カーボンモデルを使っているケースがよく見られます。PWから6番アイアンくらいまではコントロールしたい番手。使いやすい!と感じるウェッジの重さに合わせていただくこともスコアアップにつながる方法だと思います」(三瓶)

ウェッジフィッティングの基本は、使用アイアンからスムーズにつながる“流れ”を作ることだが、それはアイアンに不足や不満がないことを前提にした時の話。もし、今使っているウェッジが使いやすくて問題なし!と感じているのであれば、逆にそのウェッジから逆算して、振りやすくて使いやすいアイアン像をイメージすることもできそうだ。

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画像: ありえないほどスピンがかかる!このウェッジの正体は?開発者の吉田一尊プロが解説&試打 youtu.be

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