全米オープンを2度制した南アフリカの名手
アーニー・エルスと同じ南アフリカ出身でプロ入りは1990年。2001年には「全米オープン」を制覇し一躍トッププレーヤーの仲間入りを果たしたレティーフ・グーセン。タイガー・ウッズ、エルス、フィル・ミケルソン、ビジェイ・シンとともに、「ビッグ5」と呼ばれ一時代を築きました。
2004年の全米オープンでは最終日のバック9でフィル・ミケルソンとデッドヒートを繰り広げ、最終ホールでダブルボギーをたたいたミケルソンを振り切って2度目の全米オープン優勝を遂げます。
近年はあまり目だった活躍はありませんでしたが、2019年に米シニアツアーで優勝し、健在ぶりをアピールしました。ダウンスウィングで左ひじに余裕があるレジェンドのスウィングを見てみましょう。
画像A(左)を見ると、グリップはオーソドックスなスクェアグリップでボールの位置や立ち方のバランスも非常にオーソドックスなアドレスです。頭の位置はボールより少しだけ右に置いていることで、真上からではなくやや右からボールを見ています。テークバックでわずかに右に重心を移動させ、右の股関節の上に胸を乗せるようにクラブを上げていきます。左腕が地面と平行な位置でクラブが立っていないので手元をやや遠くにワイドに上げていることがわかります。
画像Bでは奥に小さく見える黄色いピンと、左腰の位置関係に注目してみましょう。トップ(左)ではピンがはっきり見えますが、切り返し(右)では左腰がターゲット方向に移動し、ピンと重なっているのがわかります。左へ水平移動することで手元を引き下ろし、クラブをプレーンに乗せているんです。
腰が左へ移動しても、ボールを見る視線は変わっていません。そうすることで頭の位置が残り、左への移動から回転へとスムーズに動きが移行していきます。
画像Cではダウンスウィングで左ひじに余裕があることで腕が体に巻き付くように下りてきます。そのため手元が浮くこともありません。また、キャップのつばに注目すると、スウィング中つねに一定にキープされていることがわかります。これは目線が変化していないことを表しています。
目線が変化しないことで、右の肩が突っ込むことなくキレイに縦回転し、インサイドからボールをとらえられています。
グーセンのスウィングを参考にするとしたら切り返しから変わらないキャップの向きだと思います。とくに上体が左に流れたりインパクトで右サイドがボール方向に出てしまうタイプの人は切り返しでキャップの向きをキープする意識を持つと、ボールをインサイドからとらえられるようになります。
日本では2001年に開催された「EMCワールドカップ」でアーニー・エルスとの南アフリカ代表ペアでプレーオフを制し世界一になったのを覚えている人も多いのではないでしょうか。当時、現場で見たグーセンとエルスの体の厚み、迫力のあるスウィングとあの飛距離は忘れられません。
翌年のメキシコ大会では伊澤利光、丸山茂樹のペアが世界一に輝いたのは、このときの悔しさがあったからと聞きましたが、世界のトッププレーヤーの中で戦うことの大変さを改めて感じたのを覚えています。
2019年には世界ゴルフ殿堂入りも果たし、米シニア「チャンピオンズツアー」での活躍が期待されるレティーフ・グーセン。スタッツを見るとその飛距離は298.8ヤードと51歳になる現在もその飛ばしは健在のようです。