タイガー・ウッズのパー5での平均スコアは、キャリアを通じて極めて高いレベルにある……そんなレポートを目にしたプロゴルファー・中村修。そこには、タイガーの強さの秘密と、PGAツアーで成績を残すために必要なことが記されていた!

タイガーは、プロ生活を通じてパー5をスコア「4.5」以下でプレーし続けた

PGAツアーの公式サイトで、面白いデータが紹介されていました。それは、タイガー・ウッズのパー5での平均スコアについてです。

タイガーの、キャリアを通じてのパー5での平均スコアが、過去10年のパー5平均スコア部門1位の選手と比較しても遜色ない数字だというのです。まずは、各年の、パー5での平均スコアがもっともよかった選手と、その数字を見てください。

【2019】ジャスティン・トーマス 4.42
【2018】 ダスティン・ジョンソン 4.47
【2017】 松山英樹 4.48
【2016】 ロリー・マキロイ 4.46
【2015】 バッバ・ワトソン 4.47
【2014】 アダム・スコット 4.48
【2013】 キーガン・ブラッドリー 4.51
【2012】 ロリー・マキロイ 4.49
【2011】 ウェブ・シンプソン 4.48
【2010】 バッバ・ワトソン 4.52

見ての通り、世界のトップ選手たちが名を連ねていますよね。このことからも、パー5でのスコアが成績に直結していることがわかります。そして、タイガー・ウッズのキャリア平均は驚くなかれ「4.49」なんです。キャリアを通じて、各年度のトップと同程度の成績をパー5で出していることになります。

そして、79回のストロークプレーでの勝利のうち、49回はパー72のコースでの勝利であり、パー70(19勝)、パー71(10勝)、パー73(1勝)と比較すると、タイガーはパー72のコースで多く勝っているようです。パー5が4つあるセッティングで勝利数が49回ということは、優勝にたどり着くためのスコアを、パー5でしっかりと稼いでいたことがわかります。

画像: タイガー・ウッズのパー5でのキャリア通算の平均スコアは「4.49」と極めて低い(写真は2019年の全米プロゴルフ選手権 撮影/姉崎正)

タイガー・ウッズのパー5でのキャリア通算の平均スコアは「4.49」と極めて低い(写真は2019年の全米プロゴルフ選手権 撮影/姉崎正)

パー5の平均スコアの2017年に松山英樹の名前が挙がっていることは非常に嬉しいですね。ドライバーの飛距離やグリーンを外した際の寄せやパッティングが好調であった証拠になります。2017年の松山選手は、PGAツアーで2勝。全米オープンで2位。全米プロでも優勝争いの末の5位と、いつメジャーに勝ってもおかしくない状態。やはり、この指標を上げることが成績を上げることに直結しています。

また、タイガーは同じコースでの勝利が多いことでも知られますが、それら“得意コース”の多くがパー72だといいます。PGAツアーではパー71、パー70の設定が珍しくありませんから、パー5の多いパー72のコースでのタイガーの強さは疑う余地がありません。

これらのことから、タイガーのスコアの作り方、プレースタイルはパー5をキーにしていたということがわかります。これはタイガーに限ったことではなく、難しいパー4やパー3はパーで切り抜け、パー5でしっかりとスコアを作ることはスコアメイクの基本と考えるべきでしょう。

全盛期のタイガーのプレーを思い起こすと、ドライバーの飛距離、曲げたあとのスーパーリカバリー、奇跡的なパッティングが印象的ですが、実際に優勝を手繰り寄せていたのは、パー5でバーディを積み重ねていたことにあったのです。

「取るべきホールでしっかりと取る」一見当たり前に聞こえますが、このことがPGAツアーで勝つためにもっとも必要なことであり、キャリアを通じてその当たり前のことを高い精度で続けたからこそ、タイガーは歴代トップの82勝を積み重ねることができた。それを教えてくれた、PGAツアーのレポートでした。

画像: タイガー・ウッズが日本で見せた最新スウィング! ドライバーからSWまでたっぷりどうぞ youtu.be

タイガー・ウッズが日本で見せた最新スウィング! ドライバーからSWまでたっぷりどうぞ

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