昨年ツアールーキーながら全英女子オープン制覇という快挙を成し遂げ、賞金女王争いも繰り広げた渋野日向子。そんな彼女をサポートし、渋野を“しぶこ”と呼ぶコーチ・青木翔は成長の糧となる失敗は豪快にしたほうが学びは大きいと話す。一体どういうことか、自身の著書「打ち方は教えない」から教えてもらおう。

失敗するときは豪快に大ゴケしたほうが学びは大きい

失敗をするときに、絶対に外せないポイントが1つあります。

それは、全力で失敗をするということ。

教える側が失敗を嫌がるように、選手も失敗に対する恐怖があります。こちらが「失敗してもOK!」と言っていても、ビビってしまうことは多々あるでしょう。

画像: 全力で挑戦することで、失敗したときに大きな学びを得られると青木はいう(写真は2019年の日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯 撮影/岡沢裕行)

全力で挑戦することで、失敗したときに大きな学びを得られると青木はいう(写真は2019年の日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯 撮影/岡沢裕行)

そんなマインドを持った選手は、失敗のダメージを最小限にしようとして、チャレンジする力を抑えようとします。

でも、100%の力で挑戦をしなければ、失敗したときの学びは少なくなってしまいます。

失敗を恐れ、6割程度の力でぶつかって跳ね返されても、持っている能力を出さなかったための失敗なのか、自分に足りないものがあったのか、失敗の要因が分かりません。

全力、つまり自分の持っている能力をすべてぶつけてこそ、足りないものが見えてくるのです。

人は何かに挑戦するとき、失敗を恐れ縮こまって小ぎれいにまとめようとします。

20歳にして数多くのチャレンジと失敗を積み重ねたしぶこでも、シーズン中には重圧や欲のせいでビビってしまうことが何度もありました。

全力で取り組めば成功しなくても得られるものがある

プロ1年目のシーズン序盤。慣れない環境やコースで、初日に「81」の大叩きをした試合がありました。

「思い切りやって、予選落ちでも何でもして来い!」

そう発破をかけ、改めて失敗してもいいという気持ちにさせたことで、しぶこは翌日、その日のベストスコア「66」を叩き出しました。

もし結果が出ず、本当にそのまま予選落ちをしたとしても、全力でぶつかっていたので大いに学ぶことができたでしょう。

しぶこが学んだ、不利な状況でも全力で向かっていく姿勢や経験が、シーズン最終盤に自分を立て直し、賞金女王争いにからむ粘りにつながったのです。

大きなダメージになりそうなものほど、全力でぶつかってみましょう。成功すればラッキー、失敗しても大きな学びが得られるので、こちらもラッキー。

実は全力でぶつかるほど、失うものはなくなるのです。

「打ち方は教えない。」(ゴルフダイジェスト社)より

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