昨年ツアールーキーながら全英女子オープン制覇という快挙を成し遂げ、賞金女王争いも繰り広げた渋野日向子。そんな彼女をサポートし、渋野を“しぶこ”と呼ぶコーチ・青木翔はコーチングする上で"選手とコーチが辛い思いを共有していることが大事"だという。一体どういうことか、自身の著書「打ち方は教えない」から教えてもらおう。

コーチに必要な我慢をする能力

選手には得意、不得意があり、成長のスピードも個人差があります。

だからこれまで説明したように、彼らの考える力を引き出そうとしたとき、すぐにこちらの思った通りに変わってくれるわけではありません。これは能力の優劣というよりは、タイミング次第。

画像: 練習中も笑顔が絶えない渋野と青木コーチだが、すぐに気持ちが切り替え、ひたすら基礎練習を続けている

練習中も笑顔が絶えない渋野と青木コーチだが、すぐに気持ちが切り替え、ひたすら基礎練習を続けている

これまで教わることしかしてこなかった選手ほど、自分で考え始めるには時間がかかるかもしれません。

なかなか成果につながらなかったり、自主的に取り組めない選手には、思わず答えを教えてしまいたくなるでしょう。

彼らが要領よく答えにたどり着くことなんて、ほとんどありません。

回り道してやっと答えにたどり着いたけど、「そういうことじゃないんだよねえ」なんてこともザラです。

以前は僕から答えを教えてしまっていたこともあるし、「あぁ、教えたい!」と思う瞬間もたくさんありました。

でもそこはひたすら我慢です。

コーチと選手が辛い思いを共有していることが大事

失敗をさせ続け、彼らが自分で考え始めたり、気づきを得たりするのをじっと待ちます。

コーチとしても結果が出ないのは辛い。でも選手だって辛いんです。

大事なのはその思いを共有していることです。応援しているよ、見守っているよとサインを出してあげる。

失敗しても責めたり深刻な顔をせず、笑ってあげましょう。

長い目で見たときに、その苦労や失敗が必要だと思うから、こっちが辛くても嘘でも笑う!

教える側が口を出して得られる成功なんていうのは、ほとんどの場合大きなものではありません。

きっと教え子の長い人生の中では、豆粒以下の出来事でしょう。

そう思えば我慢ができる気がしてきませんか(笑)?

僕らが必死になって失敗を回避させようとしていることはたいてい、取るに足らないものなのです。

ならばその失敗にどれだけの可能性があるのかに注目したほうが、ワクワクできるでしょう。

彼らが起こす失敗を楽しめるようになるのもコーチの能力です。

「打ち方は教えない。」(ゴルフダイジェスト社)より

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