キャロウェイの「マーベリック」シリーズに、ツアーモデルという位置付けの「マーベリック サブゼロ トリプルダイヤモンド」と「マーベリック440」2モデルが数量限定で加わった。一体どのような性能なのか? プロが早速試打した。

サブゼロは洋ナシ型、440は小ぶりでディープ

キャロウェイから「マーベリック」シリーズのラインナップにプロ仕様のモデル2機種が拡充された。PGAツアーで好まれる洋ナシ型で450㏄の「サブゼロ トリプルダイヤモンド」と小ぶりな440㏄の「440」だ。

画像: 限定で販売される「マーベリック サブゼロ トリプルダイヤモンド」(左)と「マーベリック440」(右)

限定で販売される「マーベリック サブゼロ トリプルダイヤモンド」(左)と「マーベリック440」(右)

弾道計測器フライトスコープを使ってテストし、東京・新小岩のゴルフスタジオ「PGST」でプロゴルファー・堀口宜篤がそれぞれ5球ずつ打ち、性能を比較した。ロフトは9度で同じシャフトを使用しドライバーでのヘッドスピード45m/s程度の振り感を基準に試打を行った。

画像: プロゴルファー・堀口宜篤が試打し、データをフライトスコープで計測し5球打った平均で比較した

プロゴルファー・堀口宜篤が試打し、データをフライトスコープで計測し5球打った平均で比較した

2モデルを5球打って比較した数値がこちら(画像A)。

        飛距離  スピン量  打出し角  初速
サブゼロ♦♦♦  282ヤード 2346rpm  12.2度   68.5m/s 
 440     279ヤード 2037rpm  14.8度   67.5m/s

画像: 画像A:どちらも初速性能、飛距離性能が高いが、弾道には特徴が表れている

画像A:どちらも初速性能、飛距離性能が高いが、弾道には特徴が表れている

両モデルとも、初速を高める「ジェイルブレイクテクノロジー」やAIが設計した「フラッシュフェースSS20」といったテクノロジーを搭載し、初速性能、飛距離性能はともに高いようだ。なんでも、このツアーモデルはツアー供給品と同じ検品基準が採用されているというから、より反発性能をルール限界まで追い込めているのかもしれない。

ややアッパー軌道で振る堀口の試打結果は、440のほうがやや高打ち出し・低スピンに。ただ、飛距離はわずかながらサブゼロ トリプルダイヤモンドのほうが出ていた。モデルごとに、試打者のインプレッションを聞いてみよう。

左が怖くない「サブゼロ トリプルダイヤモンド」

洋ナシ型と呼ばれるとくにPGAツアーのプロに好まれるシェイプを採用したのが「サブゼロ トリプルダイヤモンド」。このドライバーについて、堀口は「フェース面のロールとバルジが少なくストレートに構えやすい」と評価する。

ロールとバルジとは、フェース面につけられた縦方向(ロール)と横方向(バルジ)それぞれの曲がりのこと。これがある程度あったほうが、芯を外したときの曲がりが抑えられるが、プロはよりストレートなフェースを好む傾向にあるのだ。プロは打点のばらつきが少ないため、ギア効果を犠牲にして見た目の印象を重視したという設計だ。

「構えてみると、フェースの向きは“どストレート”でターゲットに合わせやすいです。従来のマーベリックシリーズに採用されていた、フェース面の円形の模様がなくなったことで見た目にもすっきりとし、よりボールに集中できるようになりました。打ってみると打感がシャキッとしていて、反発と柔らかさのバランスが気持ちいいです。バルジ(横方向の丸み)が少ないのでヒール側に当たると右に出そうな印象がありますが、その分左へ曲がる怖さはありません」(堀口)

画像: 洋ナシ型でシャロ―フェースの「マーベリック トリプルダイヤモンド」

洋ナシ型でシャロ―フェースの「マーベリック トリプルダイヤモンド」

では、どんなゴルフファーにマッチするのだろうか?

「ある程度ヘッドスピードがあって、つかまったドローが打てる人には引っかけずに飛ばせるモデルに仕上がっていると思います。しっかりと左に打ち出せるフェードヒッターでも逆球が出にくいのでマッチすると思います。真っすぐ出て右、右から右へのスライス系の人にはつかまえきれないでしょう」(堀口)

ストレートなフェース、洋ナシ型の形状、左が怖くない性能と、プロ・上級者好みの仕上がりになっているようだ。ある契約プロは、「エピックフラッシュに比べて音が静かで、吸い付く打感がある」とこれをエースに採用したという話もある。

叩いても高打出し低スピンで飛ばせる

小ぶりな「440」は、今シーズン石川遼がPGAツアー参戦時に使用した現在のエースドライバーだというモデル。堀口は、「やはり、440ccな分だけシャープに振り抜けるし、操作性も高い」という。

「ディープフェースでハイバック形状、一昔前の日本メーカーが採用していた塊(カタマリ)感のあるシェイプです。フェースの高さがあるので、表示ロフト9度でもフェース面がしっかり見えて、球の上がりやすさを感じます。打ってみるとサブゼロよりも柔らかく押していけるような打感が印象的でした。思ったよりも弾道が高く球が上げやすい、それでいて飛距離も出ていたのでプロ仕様とはいえ、やさしい仕上がりになっています。ただ、スピン量が少ないことである程度打出し角を確保しないと飛距離には結びつきません。ネックの調整機能を使ったとしてもある程度ヘッドスピードが必要なモデルと言えるでしょう。ドロー系、フェード系のどちらのタイプでも使えるモデルです」(堀口)

画像: ディープフェースにハイバック形状で小ぶりな「マーベリック440」

ディープフェースにハイバック形状で小ぶりな「マーベリック440」

どちらのモデルもプロの要望から生まれただけあってある程度のヘッドスピードは必要だと堀口。洋ナシ型の形状やストレートなフェースが好きならトリプルダイヤ、小ぶりなヘッドが好きなら440と、上級者のなかでも細分化されたニーズに応える2本のツアーモデルと言えそうだ。

球筋・弾道的にもつかまりをおさえた「トリプルダイヤ」と、高弾道、低スピンに振り切った「440」では味付けが異なるので、それぞれのモデルの特徴を生かせる人が使えば最強の武器になりそうな仕上がりだ。

最後に、やや複雑なのだがマーベリック サブゼロには「シングルダイヤモンド」も存在するが、これはツアー供給のみ。そして「ダブルダイヤモンド」は存在しない。つまり、「マーベリック サブゼロ」は「サブゼロ」と「サブゼロ トリプルダイヤモンド」の2種類があるということだ。

特約店および公式オンラインショップから数量限定での販売になるようなので、早い者勝ちになるかも。

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