トップ選手の飛ばしの数値は?
PGAツアーが3カ月振りに再開になりました。 観客なしということで通常の試合とは雰囲気がだいぶ異なり、物静かな状況の中でプレーだったようです。 初日は歴代優勝者のジャスティン・ローズが7アンダー「63」でトップタイ、そしてこのコースを得意にしているジョーダン・スピースは5アンダーと好スタートをきっています。
開催コースはテキサス州ダラス郊外にあるコロニアルCCです。 左右にドッグレッグするホールが多く、巧みなボールコントロールを要求してきます。飛ばし屋選手は思いきってマン振りできるホールは少ないのですが、今回は一般には公開されていない飛ばし屋のトラックマン数値を入手できましたのでご紹介いたします。
平均飛距離部門
大会初日のドライビングディスタンス部門でトップだったのはブライソン・デシャンボーでした。昨年秋から体重を増やしスピードアップしているデシャンボーは平均数値で345.5ヤードでした。PGAツアーの飛距離計測ホールは指定された2ホールのみとなっています。 今週は11番パー5と14番のパー4。 デシャンボーは11番で354ヤード、14番で337ヤード飛ばしていました。
デシャンボー | |
11番ホール | |
ヘッドスピード(m/秒速) | 56.9 |
スピン量(rpm 回転数毎分) | 1857 |
打ち出し角度 | 12.1° |
ボール初速(メートル/秒速) | 83.3 |
飛距離(ヤード) | 354 |
ツアー中断中に、ヘッドスピード61.8、ボール初速 90.2という数値を記録したとSNSで自慢していましたが、さすがに試合中に同じような無茶振りはできなかったようですね(笑)。
トラックマン数値比較
飛ばし屋と呼ばれるトップ選手のトラックマンデータは下記の通りです。
デシャンボー | マキロイ | チャンプ | ウルフ | ケプカ | ラーム | ジョンソン | トーマス | |
測定ホール | 11番 | 15番 | 12番 | 11番 | 15番 | 15番 | 12番 | 14番 |
ヘッドスピード(m/秒速) | 56.9 | 51.3 | 56.2 | 53.9 | 54.0 | 51.4 | 52.7 | 52.8 |
スピン量(rpm 回転数毎分) | 1857 | 1882 | 3049 | 1934 | 2629 | 2351 | 2081 | 2138 |
打ち出し角度 | 12.1 | 14.1 | 7.8 | 11.6 | 12.3 | 10.4 | 11.5 | 14.8 |
ボール初速(メートル/秒速) | 83.3 | 76.76 | 84.3 | 80.2 | 79.6 | 76.0 | 78.5 | 78.6 |
飛距離(ヤード) | 354 | 322 | 351 | 329 | 322 | 324 | 321 | 345 |
このデータでは単に飛距離比較だけでなく、打ち出し角やスピン量を確認できるので各選手の飛ばしのプロフィールがわかりますね。キャメロン・チャンプは7.8度の打ち出し、3000回転と低空飛行のハイスピン。トーマスの弾道は14.8度ととても高く、チャンプのほぼ倍の高さで攻めてきています。マキロイやデシャンボーは打ち出し角が12度を超える高弾道、ボールスピン量は1900回転を下回るロースピンです。
ヘッドスピードはパワーアップしたデシャンボーとチャンプがやはり群を抜いています。昨年ルーキーでツアー優勝を果たした新鋭マシュー・ウルフが今後どこまでジョージ・ガンカス打法を進化させ更なる飛ばし屋の一員として存在感を見せてくるかというのも注目しています。
PGAツアーの会場では通常各ホールのティーイングエリアにトラックマンを2個配置してデータを収集するようにしています。 今回はギャラリー観客なしということに加えてショットリンクのボランティアの方々も人数を減らしていると聞いています。
そのため、 大会初日のトラックマンデータはしっかりと毎ホール収集できなかったホールもあり、比較は全選手同じホールではなく違うホールになっているケースもありますのでどうかご了承ください。
皆さんも屋外練習場やインドアの打球エリアで計測器を使ってスウィングスピード、ボールデータを収集する機会はあると思います。 もちろんツアープロのようなスピードを出すことは困難だと思いますが、打ち出し角やスピン量を確認しながらMAXを出し切れるように研究されて下さいませ。