見た目はブレード。性能は高慣性モーメント
昨年のドライビングディスタンス3位、パーオン率6位とショットの指標はツアー屈指ながら、リカバリー率は76位、パーオン時平均パット数は57位とショートゲームに課題を残す松田鈴英。
そんな松田が、シーズン開幕前の“前哨戦“で手にしていたのは、テーラーメイドのニューモデル「トラスTB2」だった。実はこのパター、先週再開したPGAツアーで元世界ランク1位のダスティン・ジョンソンが使ったことでも話題のパター。その特徴は、見た目はブレードタイプだが、性能は高慣性モーメントという点にある。

吉本ひかる(左)と松田鈴英(右)がマッチプレー対決。松田が使用したパターはトラスTB2(写真提供:東急エージェンシープロミックス)
なぜこのパターを選んだのか。
「コーチが持ってきてくれて凄い良かったので使っていたんですけど、今は試合で使用するか迷っています。アースのグリーンによっても変わると思いますけど、いつも使っているマレットかトラスパターか……」(松田)
と、残念ながらマッチプレーでは“不発“。思うようにカップに沈めることができず「もったいなかった」と述べた。
「トラスTB2」は、ネック形状こそ特異だが、基本的にはセンターシャフトのブレード型。マレット型パターを使用しているイメージが強い松田だが、本人いわく「センターシャフトも初めて」だったようだ。

「トラス」はヘッド形状が2種類で、それぞれクランクネックとセンターシャフトがあるが、松田が選んだのは「TB2」(写真は2020年ファーマーズインシュランスオープン 写真/姉崎正)
今度は、彼女のコーチを務める黒宮幹仁に、このパターを勧めた意図を聞いてみた。
「彼女は“スパイダー“やマレット型のパターを使うことが多いですが、その理由は芯に当て続けられなくて、ボールが減速してしまうから。そのため、(芯を外してもボールが減速しにくい)スパイダーのような、高慣性モーメントパターが合っていたんです。トラスパターはピン型でも高慣性モーメントを実現したパターなんですが、『ピン型を使いたい』と彼女が言っていたので、勧めたんです」
ただ、実戦で思うような結果が出なかったことで、来週の開幕戦「アース・モンダミンカップ」で採用するかは不透明。ただ、黒宮は「今日のプレーを見ていて、打ててないというよりはラインが違う(笑)。彼女の場合はショットが“つく“から、パットを外すと目立っちゃうんですよね」とも分析していた。パーオン率が高いと、一般にパットの指標は下がりやすいから、黒宮も実は松田のパッティングに関しては「気にしていない」のだという。
「オフで一番気になっていたのはアプローチ。少しイップスのようになっていて、本人もグリーンに乗らない感覚があるとも話していたんです。それだとショットの影響もあるからよくないので、その辺りを徹底しましたね。(マッチプレーを)見ていた感じだとアプローチは打てていた。そこがアースに向けて一番の収穫だったと思いますね」
開幕戦となった「アース・モンダミンカップ」では選手とキャディとしてタッグを組む予定だという松田と黒宮。果たしてどんなプレー見せてくれるのだろうか。楽しみにしたい。
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