いよいよ明日から開幕する女子ツアー「アース・モンダミンカップ」。この試合がデビュー戦となるうちの一人が、日本ジュニア、日本女子アマを制したプラチナ世代の吉田優利。プロゴルファー・中村修がそのプレースタイルを分析。

怪我で飛距離が落ちてもスコアは落とさなかったゴルフ力が武器

同じ世代の安田祐香選手らとともに、輝かしい実績を引っ提げてプロデビュー戦に臨む吉田選手。昨年、渋野日向子選手がレギュラーツアー初優勝を挙げた「ワールドレディスサロンパスカップ」の最終日に同組でプレーし、4位タイになったことを覚えている人も多いのではないでしょうか。

その当時はアマチュアながら、落ち着いたプレーぶりに日本タイトルを制しているのは伊達じゃないと感じ、実力どおりにプロテストを通過した後は今季のツアー参戦でどんなプレーを見せてくれるのか心待ちにしていました。

画像: プロデビュー戦を迎えるプラチナ世代の一人、吉田優利(写真は2019年のワールドレディスサロンパスカップ 写真/岡沢裕行)

プロデビュー戦を迎えるプラチナ世代の一人、吉田優利(写真は2019年のワールドレディスサロンパスカップ 写真/岡沢裕行)

吉田選手のスウィングの特徴は、インパクトを作らずに鋭く振り抜いていく点にあります。下半身が強く、その下半身でしっかり打てているなという印象です。画像Aからも筋力のある下半身と大きなフォローがよくわかると思います。

20位で通過した昨年のQT(予選会)の際にはアイアンの精度向上が課題だと話していましたので、そのアイアンがどの程度進化しているのか、じっくり見たいと思います。

画像: 画像A:強い下半身で打ち、伸びやかなフォローが特徴的な吉田優利(写真は2019年ワールドレディスサロンパスカップ 写真/岡沢裕行)

画像A:強い下半身で打ち、伸びやかなフォローが特徴的な吉田優利(写真は2019年ワールドレディスサロンパスカップ 写真/岡沢裕行)

コーチを務める辻村明志プロに話を聞くと、昨年のプロテスト前にケガをしてゴルフができない期間があったそうです。しかし、そのおかげでトレーニングの重要性、ゴルフをできる喜びを感じられたのが、また成長につながったと教えてくれました。

「ケガで2か月近くクラブを握れない時期があったんです。ケガ明けのラウンドはドライバーは200ヤード、5番アイアンでは150ヤードしか飛ばせなかったのですが、その中で1オーバーで回ってきたのを見て、ゴルフ力の高さを実感しました。そのとき、ゴルフができる喜びを感じた姿は忘れられないですし、ケガをしたことで体を鍛えることもできました。もともと勘のいい子でしたが、勘だけでは“上”では戦えません。ケガをしたことで体作りの重要性もわかってよかったと思います」(辻村)

自粛期間を経て待ちに待った開幕戦を迎える吉田優利選手。試合に出場する喜びを噛みしめていることだと思います。ゴルフ力の高さと二つの日本タイトルを制した勝負強さ、プロとしてどんなプレーを見せてくれるのか非常に楽しみなデビュー戦になりそうです。ぜひご注目を!

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