良質な睡眠を確保するために意図的にやっていること
質がよく深い眠りは、昼間ダメージを受けた体の機能を回復させ、翌日活動するための体力を与えてくれます。しかし、高齢になれば「寝つきが悪い」「夜中に何度も目が覚める」「朝早く起きてしまう」などという人も多くなります。これは若い人に比べて、深い眠りの時間が大幅に減少するためです。
わが家では高齢者にとってより重要で、楽しいゴルフのためには欠かせない「良質で深い眠り」のために、工夫していることがいくつもあります。
まず、寝る1時間前ぐらいの決まった時間にホットミルクを飲みます。これは安眠だけでなく、カルシウム補給と精神の安定にもつながり「ぐっすり眠れる」とケンゾーさんもお気に入りで、自ら動いて用意してくれます。旅先でも必ず準備しますね。
それに加えて、ケンゾーさんはよほどのことがなければどんなに眠くても、午後11時くらいまではベッドに入りません。昼間のゴルフで過度に体力を消耗しているうえに、眠気を我慢していることで、高齢でも布団に入ると、すぐに眠りにつけるのです。一度、ベッドに入れば、たとえ周囲が明るくても、テレビがついていてもお構いなしで、すぐに「バタンキュー」なのが植杉家の快眠法なのですね。
そのほかに、ベッドマットは少し硬めであまりクッション性がないものを使用します。これは柔らかすぎると尻が沈みすぎて腰痛の原因にもなるし脊椎にもよくないからです。硬すぎても体が痛くなりますから、適度な硬さを見つけることが大事です。
枕も柔らかい素材は避けて、首筋を自然に保つ高さのものを選びます。高すぎると首の痛みや肩こりの原因になったり、のどが圧迫されていびきをかくようになります。低すぎると首の骨の自然なカーブがなくなり、こちらも首痛、肩こりが起きます。頭が心臓より低い位置だと、血液の循環が悪くなり顔がむくみやすくもなってしまいます。
寒い日には電気敷き毛布で布団の中を温めます。部屋は年間を通じて、室温は16~26度の幅の中に、湿度は50~60%を保つ。除湿器や空気洗浄機も活用して上質な眠りのための環境づくりを行うのです。
そして寝るときはマスク着用が一年中の習慣です。乾燥やホコリからのどを守り、風邪予防にもなります。
これだけ睡眠にこだわるのは「翌日の元気なラウンドはもちろん、スコアにもきっとよい影響がある」と考えるからこそ。深い良質な睡眠づくりに取り組む価値は大きいのではないでしょうか。
「エージシュート記録1472回(更新中)植杉家の暮らしかた」(ゴルフダイジェスト社)より。語り手:植杉千枝子氏