距離が短く、ナイスショットがでればバーディも狙えるパー3は、実はプロゴルファーがもっとも警戒するホールでもある。短いパー3でチャンス……のはずがあがってみればダボ、トリとならないためにはなにが必要なのか。プロゴルファー・中井学に教えてもらった。

「プロにとって、パー3はパー5はもちろんパー4と比べても『パーでいい』と感じるもの。プロの場合平均して200ヤードを超えてくることもあり、『ボギーにはしたくない』という攻め方をするのが一般的なんです」

つい先日、欧州のツアープロがプライベートで「58」というスコアを出したが、スコアカードを見ると4つあるパー3でのバーディはたったのひとつだけ。パー5でしっかり伸ばし、パー4でもチャンスがあれば伸ばし、パー3ではボギーを叩かずパーでしのぐ。これがプロの基本的な戦い方なのだ。

アマチュアにとって、パー3というとティショットさえ上手く打てればパーオン可能。バーディパットが打てる可能性もあるし、それが入ることももちろんある。しかし、その思惑は多くの場合上手くいかないのはなぜか? 中井は、「プロゴルファーはすべての番手の距離をキャリーで考えているが、アマチュアの方はランも含めたトータル飛距離で考えている」ことがひとつの原因だと指摘する。

画像: パー3で大叩きしないためのポイントとは?(撮影/増田保雄)

パー3で大叩きしないためのポイントとは?(撮影/増田保雄)

「たとえば奥にピンが切られた150ヤードのパー3。7番アイアンで打ったティショットが、キャリー130ヤードでグリーンに乗り、転がってピンに寄ったとしましょう。そうすると、『150ヤードは7番アイアン』と思ってしまう方が多いと思うんです。だけど、ピンが手前に切られた150ヤードのパー3で、145くらいのキャリーが必要だとした場合、同じ人が7番で打てばグリーンには届きませんよね。実際は130ヤードキャリーなのに、トータル飛距離で150ヤードと考えている方の場合、かりにナイスショットしてもショートしてバンカーや池、ということになりかねないんです」

逆にいえば、自分のキャリーの飛距離をしっかりと把握することが、パー3を攻略する第一歩ということになる。ピンまで打つつもりのボールがどこに着弾したのか、ピッチマークを見ればわかるし、計測器を使えばさらに正確なキャリーを求めることができる。

そのうえで、「そもそもパー3=チャンスではない」という認識を持つことが重要だ。

「だからピンが手前に切られているのか、奥に切られているのか。そのピンに寄せるためには、キャリーはどれくらい必要で、ランはどれくらい出るのが適正か。そこを見極めることが、パー3でいいスコアを出せるか、大叩きしてしまうかを決めるんです」(中井)

ショートホールが苦手でダボ、トリを叩いてしまうというゴルファーは、自身のキャリー、そしてできればランも把握することから。それができれば、パー3はもちろん、パー4、パー5の攻略にもつながる。すなわち、スコアアップのきっかけとなるのかもしれない。

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