ベストスコアは69。でもゴルフは楽しくやるのが一番!
――ベストスコアはお幾つですか?
関根勤(以下、関根):50歳の時に、カメリアヒルズカントリークラブで出した「69」です。4バーディ、1ボギーでしたね。最終ホールで上からのすごいロングパットが残たんですけどね、それまでのベストが「72」だったので、まあ、3パットしても「71」でベストは更新だなっていう感じで気楽にやったら、入っちゃったんですよね。
――なにが良かったんですか。
関根:なにがというのはないんですけど、その年にちょっと体を壊したのがキッカケで、スポーツクラブでトレーニングを始めたんですよ。それで80キロのバーベルを担いでスクワットなんかをやっていたら、下半身が安定しているからショットが曲がらないし飛ぶんですよ。そうなるとリラックスして回れるから、気楽にやったら「なんだ69だ」っていう感じでしたよね。
――その頃の飛距離はどれくらいだったんですか。
関根:230~240ヤードは出ていましたね。それくらい出ていないと4つもバーディを取れないですから。でも今はもう210ヤードくらいですね。それも転がって(笑)。
――トレーニングは必要ってことなんですかね。
関根:まあ、飛距離とかを求めるなら必要でしょうね。でもトレーニングを止めたら途端に80以上叩くようになっちゃいましたけどね(笑)。
――現在のアベレージはどのくらいですか。
関根:今は85~90の間ですね。調子よいときは80台の前半もありますけど。
――ハンディキャップはお持ちなんですか。
関根:ハンディはね、今のノースショアカントリークラブ、前の北浦ゴルフ倶楽部のときに、最終的に「9」を取りました。シングルになってからは競技会に出なくなりましたね。競技会でオーバーパーを叩くとハンディが増えちゃうから(笑)。でも腕は落ちましたね、今は「15」くらいじゃないですか。
――いま一緒にラウンドするのはやっぱり芸人が多い?
関根:やっぱり事務所(浅井企画)の後輩芸人たちと回ることが多いね。“関根ゴルフクラブ”の第一期生がね、「ずん」の飯尾とやす、そして「イワイガワ」の岩井ジョニ男、花香よしあきね。最初、飯尾は毎回来ていたんだけど忙しくなっちゃったから、ここ2年くらいは来れていないんですけどね。
――浅井企画の後輩芸人さんたちは、関根さんとラウンドすると誉めてくれるし、回りやすいんだと言っていますよね。
関根:やっぱり、「オー、飛ぶなぁ~」とか声かけたりして、楽しくやりたいじゃないですか。真剣にやるのは打つ前後の20~30秒くらいでいいんですよ。
――後輩に勝ちたいから、先輩風吹かせたりは……。
関根:あ、そういう気持ちは全然ないです。自分のプレーを楽しみたいから。でもいますよね、すごい飛ばす後輩のボールを靴で踏んで埋め込ませたって人の話を聞いたことがありますけどね、嫌ですよねぇ。僕ね、人がパットを外すとすごく笑う人と回ったことがあるんだけど、あれ、嫌だったなぁ~。ファッ、ファッ、ファッ(笑)って、仲良くもないのにさ、人の失敗を死ぬほど笑うんだよ。仕返しする気じゃないんだけど、こっちもその人がミスした時に、ハッ、ハッ、ハッくらいはね。やってやりましたけどね(笑)。
タモリさんはドライバーとロングアイアンだけで800球打ってた(笑)
――一緒に回る後輩芸人たちとのエピソードはありますか?
関根:飯尾君って凄い謙虚な人でね。キャディさんにもスミマセン、スミマセンっていつも言ってるんですよ。それでね、ある前下がりの傾斜で空振りしたんだけど、振っている最中に「スミマセン」って言ってましたよ(笑)。あと池越えの130ヤードのセカンドショットで、飯尾君なら9番アイアンかなって思って観ていたら、すごいグリーンオーバーになっちゃったの。何番?って訊くと、「ちょっと保険掛け過ぎました。6番アイアンです」っていうわけ。どうして130ヤードを6番で打ったのか聞くと、まず池を越えるために1クラブ大きく。ラフからだったので1クラブ大きく。そして、もしものために1クラブ大きく。それで6番にしましたって言うんですよ。それでなくても飯尾君は元野球部で、ドライバーで270ヤードは飛んでましたからね。宮本勝昌プロみたいな体をしているんですよ、“浅井企画の宮本”(笑)、そういうのを付けるんですよ。
――他の人は、どんなキャッチがついているんですか。
関根:ジョニ男はね“世田谷のコーリー・ペイビン”、もしくは“ハンチングを取ったボブ・トスキ”。僕はね、“横顔がデービス・ラブⅢ世”ね、似てるって言われるんです。やすはケガで腰を悪くしているので、ドライバーをフワ~ンと言う感じで打つんですよ。それで“政治家ショット”って言われているんです。「ヨッ、やす大臣!」とか言ってね。あとね、やすは何か知らないけど足が長いんですよ。それで、“後ろ姿のケツから下が石原裕次郎”って、飯尾が付けたんですけどね。
――同じ事務所以外のかたとはラウンドするんですか?
関根:前は、TIMのレッド吉田君とゴルゴ松本君とか。アンタッチャブルの柴田君は運動神経が良くてゴルフもうまいよね。キングコングの梶原とも行っていたし、ココリコの遠藤君ともよく行っていましたよ。インパルスの堤下君とも行っていたけど、彼は飛ぶね、290ヤードくらい飛んでたなぁ。
―― 一緒に回って“凄かった人”とかはいますか。
関根:一緒に回ってとにかく面白いのは、明石家さんまさんね。本当に、あのまんまだからね。パー3でキャディさんから「さんまさん、クラブは何をおもちしましょうか?」って訊かれたら「5番アイアンと、キャディさんの愛をください♡」って。あとコース管理の人が作業している近くまで行って、置いてある鍬を見て「珍しいクラブ使ってまんなぁ~。おおっ、鍬やった!」って。反応を見て「お、笑うとる、笑うとる」って喜んでますよ。僕はね、さんまさんと回るとスコア良いんですよ、楽しいから。
――大御所芸人はゴルフをするかたが多い?
関根:所ジョージさんが一時期ゴルフにハマっていて、360日、成城の練習場に行っていたんですよ。筋トレもしていたから、腕がこんなブッ太くて、あの頃の所さんは270~280ヤードくらいは飛んでいましたからね。パターも週に5日くらいゴルフやっているから全然緊張しないんですよ。「ハイ、このくらい」とか言ってポンと打つとロングパットも全部近くに寄っちゃうわけ。全然、みんな敵わないですよ。
あと、タモリさんが「ビッグ3ゴルフ」(※1988年から1999年の年始にフジテレビで放送されていたタモリ・ビートたけし・明石家さんまが出演していたゴルフ番組)で、さんまさんとたけしさんにやられてから、ゴルフを真面目にやるって言いだして、“笑っていいとも”の本番が終わってから新宿の日テレゴルフガーデン(※現在は閉鎖)に僕も一緒に行くようになったんです。それでね、タモリさんはドライバーとロングアイアンだけで800球くらいをね、もうフラフラになりながら打ってましたよね。それである時、“笑っていいとも”の本番前に顔を洗う時に、シャツが濡れるので上半身裸になったタモリさんを見て驚いたのなんのって。そこに居たのは僕が知っているあの痩せているタモリさんじゃなくて、千葉真一さんみたいなムッキムキの体のタモリさんがいるわけですよ。それで、「どうしたんすか!」って訊いたら、「ゴルフだよ、ゴルフ」って言うんです。まあね、プロだって800球打つとしても、半分はアプローチを打つのに、全部ドライバーとロングアイアン打つわけですから。それで、体が大きくなっちゃって、スーツの採寸を3回やり直したって言ってましたよね。
――千葉真一さんみたいな体で、飛ばすんですか。
関根:いや~、飛んでましたよ。260~270ヤードは行っていましたね。ラウンド回数が少ないのでアプローチなんかはそんなに上手くなかったけど、ドライバーはかなわなかったですね。
“自分がやる趣味”はゴルフだけ
――最後に、関根さんがゴルフの好きな理由を教えてください。
関根:僕にとって、“自分がやる趣味”はゴルフだけなんですよ。映画や舞台を観に行くとか、格闘技などのスポーツ観戦とかも好きな趣味なんですけど、でもそれって受け身なわけですよ。要するに、自分が参加をして何かをするわけではないんですよね。でもゴルフの場合は自分が主体で動いてプレーをするわけじゃないですか。そこがまず、他の趣味とは違いますよね。あと、完全に仕事から離れられる趣味も、ゴルフだけなんですよね。例えば映画を観ていても、あ、この役者上手いなとか、この笑いの間が上手いなとか、そういう感じで観ているから100パーセント楽しめないと言うか、休めないんですよ。自分の仕事がチラチラと顔を出すんですよ。でもゴルフって自分の芸能活動とは一切関係ないので、本当に心底楽しめますよね。青空の下で、「あ、曲がった!」とか「入ったぁ~」とかを純粋に楽しめる。ラウンドは、体は疲れるんだけど、頭はスッキリするんですよ。
――その感覚が好きなんですね。
関根:素晴らしいですね。それに野球のホームランって130メートルくらいでしょ。でもゴルフボールなら150ヤードくらいだから、もう軽くホームランが打てるわけですからね。パ~ンと。気持ちイイじゃないですか。それになんといっても、フィールドが広いですよね。大自然の中で。グリーンの絨毯を歩くのは最高に気持ちいいですよね。そして運動した後だから、ご飯がまた美味しいんですよ。
――ハンバーグがお好きだとうかがいました。
関根:そう! 浜野ゴルフクラブのハンバーグね。あとカメリアヒルズはカレー、これが美味いんだなぁ~。