悪天候のため最終日を順延し、月曜日の今日最終日のプレー進行中の「アース・モンダミンカップ」。そこで躍動する原英莉花、川崎志穂、笹生優花、西郷真央の4人の若手女子プロには共通点がある。キーワードは“ジャンボ尾崎”だ。

ジャンボイムズを感じられる雰囲気

ジャンボ尾崎こと尾崎将司のもとに集まるプロゴルファーが練習する「ジャンボ邸」と呼ばれるジャンボの自宅の練習場。ドライバーまで打てる広大なスペースに、アプローチ、バンカー、パッティング、トレーニングが行える練習環境の整った施設だ。

そこでは、シニアツアーで活躍する尾崎健夫、直道の尾崎兄弟や、飯合肇、川岸良兼などの名プレーヤーたちとともに、小平智や永野竜太郎といった若手も練習に通う。そして、最近では華やかな女子プロたちもそこに加わっている。

画像: 開幕戦「アース・モンダミンカップ」でジャンボ門下生として躍動する4名。左上から時計回りに笹生優花、原英莉花、西郷真央、川崎志穂(Getty Images/JLPGA提供)

開幕戦「アース・モンダミンカップ」でジャンボ門下生として躍動する4名。左上から時計回りに笹生優花、原英莉花、西郷真央、川崎志穂(Getty Images/JLPGA提供)

アース・モンダミンカップで3日目を終えて17位タイから上位を伺う原英莉花は高校生の頃から、最終日を2位タイで迎えた西郷真央はジャンボ尾崎ゴルフアカデミーの一期生で2017年から、初日にトップに立った笹生優花は昨年のプロテスト後から、飛距離を生かして初日にイーグルを奪取した川崎志穂はここ数年練習に訪れているという。そして、開幕戦では4人が揃って活躍。その背景にはなにがあるのか、長くジャンボ尾崎のマネージャーを務める宮下修氏に話を聞いた。

「ジャンボ尾崎をはじめとした、レギュラーツアーで活躍したジャンボ軍団のプロたちが間近に練習しているということは、彼女たちにとって大きいと思います。練習やゴルフに対する姿勢や練習方法、雰囲気や空気感から感じることも多いのではないでしょうか」(宮下氏)

「アース・モンダミンカップ」では、笹生優花のキャディをジャンボ尾崎のキャディを務めた小暮富志雄が、川崎志穂のキャディをジャンボの長男の尾崎智春が務めるなど、実戦の中で成長できるサポート体制も大きいだろう。

細かいことは教えない

さて、気になるのはジャンボが彼女たちに普段どんなことを教えているのかだが、「細かいことは教えていない」(宮下氏)という。

「スウィングの細かいことは教えたりしていません。ラウンドで見つかった課題を持ち帰って克服するということを重点に置いています。課題を見つけることも大事ですし、しっかりと自分で考える力を持つことが大切ですね」(宮下氏)

細かいことは口出ししないジャンボだが、もちろんアドバイスをしないわけではない。コロナ禍で試合が開催されない中で、「いつ開催されてもいいように準備だけはしておくように」というのがジャンボからのメッセージ。そのアドバイスを受け、“門下生”たちが今大会に向けて準備してきたことの成果が出ているということのようだ。

「最近のジュニアゴルファー、とくに女子の上手くなろうとする情熱はすごいので、練習やトレーニングに対する姿勢も違います。その意識で練習し、周りには実績のあるベテランプロがいる。この環境が、結果として出てきているのだと思います」(宮下氏)

今シーズン躍動するジャンボ門下生の活躍が、まだまだ見られそうだ。

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